絶望の運命
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すだけが脳の輩共だ。何故顔を隠すのか。それは自らの行いが人間として最低なものであることをあらわしているに他ならない。
「それでどうなりました」
「どうもなりませんよ」
沖は涼しい顔で言った。
「返り討ちにしてやりましたよ」
「大丈夫だったんですか!?」
クランの報復を危惧しての発言だった。
「何、単なるチンピラだったようです。酒に酔ってからんできただけだったようで」
「それはよかった」
佐久間はそれを聞きホッと胸を撫で下ろした。
「別に何ともありませんよ」
沖は何でもなかったように答えた。
「例えそいつがクランでも」
「クランでも」
「そんな奴は許せません。差別を言い立て他の者を暴力で屈服させるなぞバダンと同じですから」
「そうですね」
佐久間はそれに頷いた。そしてあることに気付いた。
(俺達も心の中の何処かにバダンがあるのかな)
と。これはある意味で事実だろう。人は良心だけではないのだ。中には邪悪な心も持っている。それが不完全な存在である人間なのだ。
(そしてこの人はライダーになるべくしてなった)
沖の今の話を聞いてそれを確信した。
(正義感と悪を排除しようとする心、それがなくてはライダーにはなれない)
人々を守る為にその拳を血に染めるライダー、その心は常に正義を愛する心と悪と戦う心がなくてはならないのである。
「船から降りたらどうします?」
沖はその話を打ち切って佐久間に話し掛けてきた。
「降りてからですか?」
「はい。そろそろ食事時ですが」
見ればもうすぐ正午である。
「そうですね」
佐久間は少し考えてから答えた。
「音楽を聴きながら食べるのもいいですね」
「それならいいお店を知っていますよ」
沖は微笑んで言った。
「ハンバーガーのお店でして。他にも色々な料理がありますよ」
「それはよさそうですね」
アメリカの特色のひとつだがニューオーリンズも多くの人々がいる。だから食べられる料理も多岐に渡るのだ。
「歌手はかなりいいのが揃っていますよ。ジャズですけれど」
「ジャズですか」
ニューオーリンズからはじまったアメリカの誇る音楽文化の一つである。
「ジャズはお好きですか?」
「はい」
「なら問題ありませんね」
こうして二人はその店へ向かった。そして料理と音楽を楽しみに行った。
「そうか、あの男が来たか」
メガール将軍はニューオーリンズの後方に広がる広大な沼沢地の中にある基地の中でその報告を聞いていた。
「やはりな。すぐに来ると思っていた」
それは彼にとって予定されたことであった。
「どうなさいますか」
「既に考えてある」
将軍は戦闘員の言葉にすぐ答えた。
「この時が必ず来るとわかっていたからな」
彼は思わせぶりにそう
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