神殿の闘神
[1/25]
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
この頃ギリシアでは一つの噂が起こっていた。
「二柱の神がエーゲ海に姿を現わしている」
というものである。
一人の神は巨大で角を生やした神である。それは赤い目を持ち海の中を進んでいるという。そしてその身体は鋼鉄だと言われている。
もう一人は赤い仮面を被った神だ。それは神殿に現われ腕の立つ者を探しているという。
「また何とも思わせぶりな神だな」
それは日本の新聞でも話題になっていた。立花はそれをアミーゴのカウンターで読んでいた。
「おい、御前達はどう思う」
そこで史郎や純子に尋ねた。
「どうと言われましても」
「まさか本当に神様がいるなんて」
二人はピントの外れた答えを言った。
「ああ、わかってねえなあ」
立花はそれを聞いて首を横に傾げて言った。
「バダンの仕業かどうか、って聞いてるんだよ。ほら、思いきり怪しいじゃねえか」
「どう思う、純子ちゃん」
「言われてみれば確かに」
二人はようやくそれを理解した。そこへ結城が店に入って来た。
「三人共何騒いでるんですか」
その後ろにはチコとマコもいた。三人で情報収集に出ていたのだ。
「おお丈二、丁度いい時に来た」
立花は彼の方へ顔を向けた。
「いい時?」
「そうだ、これを読んでくれ」
そう言うと新聞紙を結城に渡した。
「そこの国際欄だ」
「国際欄ですか」
結城はそこに目を通した。チコとマコはそれを覗き見る。
「おい二人共、行儀悪いぞ」
立花はそんな二人を嗜めた。だが二人は新聞から目を離さない。
「ねえマコこれって」
チコは相棒に話し掛けた。その眉を顰めさせている。
「ええ、多分」
マコもわかっていた。見れば結城も察している。
「おやっさん、これって」
「怪しいと思うか」
立花は結城に顔を向けた。
「マスター、これってゴッドの連中よ」
「そうよ、間違いないわ」
チコとマコは立花に対して言った。
「おい、御前達には聞いてないぞ」
「何よ、私達だって話に入れてくれていいじゃない」
「そうよ、いつも子供扱いして」
「口だけは減らん奴等だ」
立花はその言葉にいささか閉口した。
「まあいい、言ってみろ」
「マスター、覚えてるでしょ、これ」
チコは結城が手に持っている新聞を指差して言った。
「何をだ!?」
「ゴッドよ、ゴッド」
マコも言った。
「ゴッド!?馬鹿を言えあの組織はとっくの昔に滅んでるぞ」
彼は口を尖らせた。
「だから、バダンってゴッドと同じなんでしょ!?首領が」
「ああ、そうだが」
「だったら話がわかるわ。これキングダークとアポロガイストよ」
「キングダークとアポロガイスト!?」
立花と結城は二人のその言葉に顔をハッとさせ見合わせた。
「おい、アポロガイストはわか
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ