神殿の闘神
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。有り難く思え」
「心遣い感謝しよう。では俺も返礼をするとしよう」
「何だ」
「受け取るがいい」
そう言うとマントを翻した。すると空中に数本の煙草が現われた。
「ハバナ産だ。貴様にやろう」
「有り難いな。最近ハバナ産に凝っていてな、早速失敬させてもらおうか」
「好きにするがいい」
タイタンはそれを掴んだ。そして指で火を点けた。すぐに口に含んだ。
「フム」
「美味いか」
「ああ」
タイタンは満足した様に口から煙を吐いた。
「葉巻はいい。どうも普通の煙草では味わいがない」
「そんなにいいのか」
「貴様もどうだ」
「いや、俺は煙草は吸わん」
シャドウはそれに対しては右手を出して拒絶した。
「酒は嗜むがな」
「そうか。ではこの葉巻は全ていただくとしよう」
「その為に持って来た。そうするがいい」
「わかった」
タイタンは遠慮なく葉巻を全て手に取った。そしてそれを全て収めた。
「ではな。俺は本拠地に帰らせてもらう」
「ああ」
その時だった。不意に上の方から声がした。
「タイタンにシャドウよ」
「その声は」
忘れられる声ではなかった。あの声であった。
「元気そうで何よりだ」
「首領!」
二人はすぐにその場で片膝を着いた。そして恭しく頭を垂れた。
「フフフ、よい。そう畏まらなくともな」
「ハッ」
だが二人はそれでも片膝を着いたままであった。
「御前達に声をかけたのは他でもない」
「何でしょうか」
「うむ」
首領はここで一旦言葉をとぎらせた。そしてまた口を開いた。
「今度の作戦だが」
「はい」
二人は次の言葉を待った。
「一つに集中させる。北欧本部及び南欧本部は統合させる」
「統合ですか」
「そうだ」
首領は厳粛な声でそう言った。
「そして本部はこのシチリアに置く。そしてここで時空破断システムを使用するがいい」
「わかりました」
二人はそれぞれ時空破断システムを授かっていた。それぞれそれを兵器に装填しているところであった。
「指揮権はそなた達二人に任せる。上手くやるようにな」
「ハッ」
二人は頭を垂れながらチラリと互いを見た。何かを含む目であった。
「この欧州を死の荒野とするがいい。期待しているぞ」
「お任せ下さい」
二人はそう言って上げていた頭を再び垂れた。
「では任せた。思う存分やるがいい」
「ハッ!」
こう言い残すと首領はそこから気配を消した。そして彼は何処かへ気配を移した。
「これで欧州はよし」
彼は既に日本の本部へ移っていた。
「暗闇大使よ」
「ハッ」
その前には鍵爪を生やした暗闇大使が畏まっていた。
「御前の言う通りだ。二人は早速互いを意識しておったわ」
「そうでございましょう」
彼はそれを聞き満足
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