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仮面ライダーZX 〜十人の光の戦士達〜
魔都の攻防
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自らの護りの故に敗れたようだな」
「そうだ、だが斧と盾を破壊しなければ俺も危なかった」
「あそこで勝負が決していたか」
「そうかも知れん。だが」
 X3はさらに言った。
「俺は必ず勝つ運命だ。何故なら仮面ライダーだからだ」 
「フン、言ってくれるな」
 ドクトル=ゲーはそれを聞いて笑った。だがそれは冷笑ではなかった。
「だが見事だ。そうまで言える者は貴様の他にはおらん。そして」
 血を吐いた。だがまだ言葉を続ける。
「その貴様と戦えたことを誇りとしよう。地獄でな」
「ドクトル=ゲー・・・・・・」
「ではそろそろ楽にならせてもらおう」
 彼は毅然とした姿勢になった。
「私は悪に殉じよう、喜んでな。さらばだ仮面ラァーーーーーイダX3!」
 それが最後の言葉だった。ドクトル=ゲーはゆっくりと前に倒れると爆死した。
「ドクトル=ゲー」
 X3はそれを最後まで見送っていた。
「敵ながら見事な最後だ」
 彼は敬意を覚えた。強敵に対する純粋な敬意であった。
 これで上海の戦いは終わった。風見は役のもとへ戻った。
「そうですか、ドクトル=ゲーも遂に」
「ああ、見事な最後だった」
 二人は朝焼けの港にいた。今船がやって来た。
「手強い奴だった。流石にデストロンで大幹部だっただけはある」
「そうでしょうね。しかし彼も本望でしょう」
「何故だい」
 二人は桟橋に足を踏み入れた。そしてそのままゆっくりと昇っていく。
「思う存分最後まで戦えたからですよ。それもライダーとね。それならば悔いはないでしょう」
「そうですか」
 二人は船に入った。あとから続々と人が船に入る。
「彼等もまた戦士です。戦う旗印は違いますが」
「はい」
 それは風見にもわかっていた。
「戦士は戦場での死を願うもの。彼もまた戦場で倒れました」
「それこそがあの男の願いだったのですか」
「少なくとも最後は」
 役は意味ありげに言った。
「ですがその最後にこそ出るものです、その真の姿が」
「ええ」
 X3も多くの敵と戦ってきた。ドクロ少佐も幽霊博士もそれぞれ勇敢で潔い最後であった。
「敵とはいえ敬意を払うべき時には払わなければなりません。たとえ敵であっても」
「はい」
 風見は頷いた。その通りだと思った。
「では行きましょう」
 桟橋が取り外された。汽笛が鳴る。船はゆっくりと出港した。
「次の戦場へ」
「はい」
 船は次第に船足を速めていく。そして上海をあとにする。そして次の戦場に向かうのであった。

「ドクトル=ゲーも倒れたか」
 暗闇の中であの首領の声がする。
「はい」
 その前に暗闇大使が控えていた。あの軍服姿である。
「見事な最後だったそうです」
「惜しい男だったが」
 彼もまた首領の腹心であった。仮
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