魔都の攻防
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トで全身を包んだ。そしてあの黒い光と共に姿を消した。
基地を破壊した風見と役は上海の外灘にいた。
ここはかっての租借地であった。今もここには当時を思わせる異国風の建物がある。
「何か不思議な感じだな」
風見はそこを歩きながら言った。
「中国にいるようで何処かそんなん気がしない。まるで他の国にいるようだ」
「元々ここは中国にある外国でしたからね」
隣にいる役が言った。
「ですからそうした感触を持たれます。私も何回かここに来ました」
「そうなのですか」
「ええ」
役はそう言って微笑んだ。
「かなり変わりましたがね。この感触は変わりません」
彼は懐かしむような顔で言った。
「街の外見は変わっても空気までは。色々とキナ臭さも漂いますが」
この街は多くの騒乱のはじまりともなってきた。そして暗黒街の勢力も強い。
「それでもその中には言葉にできない魅力があります。実はそこに魅入られているのです」
「そんな不思議な魅力がこの街にはあるのですか」
「ええ」
役は頷いた。
「危険な甘い毒のようなものです。確かに危ない、しかしその危険が何時しかたまらなくなるのです」
「そうですか」
風見は普通の危険には驚かない。デストロン以降の悪の組織との戦いでは常に死と隣り合わせであった。だからそう簡単に驚いては務まらないのだ。
「もっとも私も何度も死線をくぐりましたが」
「よく生きていましたね」
「そうそう簡単には死なない身体ですから」
「そうなのですか。ん!?」
風見はその言葉に引っ掛かるものを感じた。
「待って下さい、今何と」
「今ですか!?」
役は先程の言葉をしまった、と悔やんだ。そして慌ててとぼけた。
「ええ、今確かそう簡単に死なない身体と」
「それですが」
誤魔化そうとする。その時であった。
「風見志郎よ」
彼等を黒服の男達が取り囲んだ。
「来たか。相変わらず芸のない」
風見は彼等を見渡して言った。
「何とでも言え」
そこで怪人が前に出て来た。
「我々は最早貴様を倒すしかないのだからな」
デストロンの毒針怪人ドクバリグモであった。
「その通り」
もう一体姿を現わした。
「この中国を焦土にする前にはまず貴様を除かねばならんのだ」
ゴッドの催眠怪人パニックであった。
「風見志郎、いや仮面ライダーX3よ」
彼等は前後から風見と役を取り囲んだ。
「覚悟するがいい」
「フン」
だが風見はそれに対して不敵に笑った。
「面白い。ではこの中国ではもう貴様等を倒すだけでいいのだな」
「何!?」
怪人達は彼の不敵な言葉に思わず声をあげた。
「何を驚いている、俺は難しいことは何一つ言っていないぞ」
既に怪人達を呑んでいた。
「ここで貴様等を倒す、
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