魔都の攻防
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にかかった。素早く猿の様に駆け上がる。
だがそれを六本の腕が襲い掛かる。そしてそのうちの一本がX3を叩き落とした。
「ガハッ!」
床に叩き付けられ思わず呻き声をあげた。だがすぐに立ち上がる。
「フフフ、どうだ。そうそう容易にはいかんぞ」
ゲーは後方から両者の戦いを見守りつつ彼に言った。
X3は戦法を変えた。魔神の後方に回り込もうとする。
「無駄だと言っておろうに」
ゲーはそんな彼を嘲笑する声を出した。顔は笑っていないが声は笑っていた。
魔神の三つの顔のうち一つがX3を捉えた。そして目に何かが宿った。
「あれは!?」
それは闇だった。いや、よく見るとそれは闇ではなかった。
それは黒い光だった。それは二条の光線となりX3に襲い掛かってきた。
「何のっ!」
X3はそれも何とかかわした。今さっきまでいた場所が黒い光を浴びその中に消えていた。
「何という光だ」
その床の場所にはもう何もなかった。ただ黒い穴が開いているだけであった。
「さて、何時までそうやって逃げていられるかな」
ゲーの声がまた響いた。
「三つの顔に六本の腕。そうそう容易には逃げられんぞ」
魔神の攻撃は続いた。彼はその目から放つ黒い光と丸太の様な六本の腕でX3を追い詰めんとする。
X3はそれに対して逃げるだけで手一杯であった。次第に部屋の隅にまで追い詰められてきた。
「まずいな、このままでは」
背が壁についた。見れば魔神がすぐ側にまで迫ってきている。
「さあ、観念したか」
ゲーは魔神を挟んで彼と正対した。
「誰が」
X3に降伏の二文字はない。何故ならライダーだからだ。
「そうか、ならばそのまま死ね」
魔神がその言葉と共にゆっくりと六つの目にあの黒い光を宿してきた。
「クッ、どうすれば」
ここで彼の脳裏にあることが閃いた。
「そうだ、ここはあれしかない!」
見れば黒い光が今にも放たれようとしている。もう戸惑っている時間はなかった。
「さあ、観念したか」
ドクトル=ゲーはX3を見据えていた。
「止めは私がさしてやろうぞ」
そして右手に持つ斧を煌かせた。
だがX3はそれに構わなかった。腰を落とし構えた。
「喰らえ」
そして腰のダブルタイフーンが光った。
「逆ダブルタイフーーーーーンッ!」
腰のダブルタイフーンから二つの竜巻が発せられた。それは魔神を激しく打ち据えた。
「クッ、それがあったか!」
ドクトル=ゲーも抜かりがあった。彼はダブルタイフーンの存在を忘れていたのだ。
魔神は瞬く間にその全身を破壊されていく。そしてすぐに砂のようになり消えていった。
「これでどうだ」
X3はそのうえでゲーに対峙した。
「おのれ、だが」
彼はそのX3に向かって歩きだした。
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