暁 〜小説投稿サイト〜
仮面ライダーZX 〜十人の光の戦士達〜
隻眼の軍人
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中々の名コンビだったな」
「ふざけるな、貴様はわしを利用していただけだっ!」
 暗闇大使は語気を荒くさせていた。
「フランスとの戦いでも、アメリカとの戦いでも、中国との戦いでもそうだった。貴様は単にわしを利用していただけではない
か!」
「馬鹿なことを言う」
 だが地獄大使はそれに対して冷笑で以って応えた。
「それがあの戦争だったのではないか」
「どういう意味だ」
 暗闇大使はまだ地獄大使を睨んでいる。
「あの戦争では全ての国民が駒に過ぎなかった。ホーチミンですらな」
 ベトナムの一連の戦争であった。
 まずフランスがこの地を植民地とした。そして第二次世界大戦の時に日本軍がやって来た。ここでも彼等は学校を建て現地民に対して厳格な教育を施した。融通が利かずしかもすぐ手をあげる日本の軍人達をわずわらしく思いながらも彼等はそこに自分達の進む道を見た。
「日本軍とも手を結ぶことが出来ていれば喜んで結んでいた」
 当時を生きたベトナム人でこうした考えの者もいた。ベトナム共産党もである。
 彼等が他の共産党と決定的に異なるのは彼等はあくまで民族主義者であったということだ。共産主義は独立を達成する為の錦の御旗に過ぎない。指導者であるホーチミンもそうした考えであった。
「共産主義なぞ何の役にも立たない」
 彼等は後に自らの行動によりそれを公言した。現在のドイモイ政策である。
 こうしたしたたかな国である。その国民も粘り強かった。
 日本の敗戦後フランス軍がまたやって来た。彼等はまたベトナムを植民地にする為に戻って来たのだ。
 彼等は前と同じようにベトナムを統治できると思っていた。だがそれは誤りだった。
 ベトナムはホーチミンに率いられていた。そして彼等は日本軍の心を学んでいたのだ。
 彼等は強かった。裸足の軍隊が近代装備のフランス軍を圧倒していたのだ。そして遂にフランス軍の本拠地難攻不落と言われたディビエンフー要塞が陥落した。これでフランスはベトナムを去った。
 ところがここでベトナム共産党の伸張を快く思わないアメリカが介入してきた。彼等は南ベトナムに傀儡政権を置くとそれを援助する形でベトナムに介入してきた。その圧倒的な物量でベトナムを制圧しようとしたのだ。
 だがアメリカ軍も苦戦した。彼等はジャングルに潜み、そこから攻撃を仕掛けた。農村にも都市にも潜んでいた。さしものアメリカ軍も彼等の神出鬼没の攻撃に手を焼いた。
 そこでベトナムは外交にも訴えた。アメリカこそが侵略者であり自分達は被害者だと。これは国際世論と何よりも国内の支持を失ったアメリカにとって致命的であった。
 結果としてアメリカは敗れた。そしてベトナムは統一されたがここでまた敵が出て来た。
 中国である。彼等は歴史的にベトナムを自分達の領土の一部だと考えていた
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