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仮面ライダーZX 〜十人の光の戦士達〜
隻眼の軍人
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ええ」
「わかってますがな」
 二人は頷いた。博士はそれを見てまた微笑んだ。
「じゃあ行こう、悪の塔へ」
 そして三人は塔へ向かった。ゼネラルモンスターが待つ悪の本拠地へ。

 その頃暗闇大使はバダン日本支部で作戦の準備にあたっていた。
「ゼクロスとライダーマンの動きはどうか」
 彼は指令室で戦闘員の一人に尋ねた。
「ハッ、今のところ目立った動きはありません」
 その戦闘員は敬礼をして答えた。
「そうか。今何処にいるのだ」
「アミーゴを本拠地として我々のことを探っている模様です」
「ふむ」
 彼はそれを聞き顎に手をあてた。
「あの二人がか」
 彼には思い当たるところがあった。
「どちらも諜報には長けている。ライダーマンは頭が切れる。ゼクロスはまさに機械化された忍者だ」
「忍者ですか」
「そうだ」
 大使は戦闘員の言葉に答えた。
「気をつけろ。忍者は影の中に潜みそこから襲い掛かる」
「魔物のようですね」
「魔物よりも手強い。かって忍者を従えた者がこの日本を制したとまで言われる」
「日本をですか」
「うむ」
 彼はまた頷いた。
「それだけ忍者の力は絶大だったのだ」
 戦国大名達は皆そうであった。武田信玄もそうであったし北条氏康もそうであった。徳川家康は伊賀忍者の力で天下人になったところが大きい。
 その伊賀を攻めた織田信長にしてもそうだ。彼の配下には蜂須賀正勝や滝川一益等忍出身の者がいた。彼は諜報戦も得意としていたがそれは彼等の力があってのものであった。
 その忍者は江戸時代においても隠密として活躍した。彼等はまさに歴史の影として活躍してきたのだ。
「だからこそ油断してはならん」
「わかりました」
「油断したならば一瞬にしてこのバダンも壊滅させられる。そう、一瞬にな」
「フン、相変わらず心配性だな」
 ここで暗闇大使の声と全く同じ声が聞こえてきた。
「・・・・・・貴様か」
 大使は声のした方を不機嫌そのものの顔で見た。
「貴様はないだろう、折角会いに来てやったというのに」
「呼んだ覚えはない」
 暗闇大使は嫌悪に満ちた声を返した。
「そう言うな。長い付き合いではないか」
「誰がっ」
 大使はここで激昂した。
「貴様とのことなぞ我が記憶から全て消し去っておるわ」
「嘘を言う必要はない」
 声は余裕のあるものであった。
「我々はあの時から一緒ではないか」
 陰から銀と赤の右足が出て来た。
「あのスラム街で生まれた時からな」
 声の主が姿を現わした。地獄大使であった。
「我々はあのベトナムのジャングルで共に戦った仲ではないか」
 彼はまるで毒蛇の様な笑みを浮かべながら言った。
「誰が」
 暗闇大使は彼を睨みつけていた。
「わしは司令官、貴様は参謀総長としてな。
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