隻眼の軍人
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た。
「その時の手は打ってある、とでもいうつもりか」
「そうだ」
シャドウはあえて素っ気無い様子で答えた。
「もっともそれは貴様も同じだと思うがな」
「確かにな」
タイタンはそれを聞いて含み笑いを漏らした。
「俺は地底にいればいいからな」
「それは俺も同じこと。既に本拠地は別のところにある」
「ほう、ではこのシチリアを俺に明け渡すつもりか」
「残念だがそうではない」
シャドウは杯を空にすると言った。
「このシチリアはあの男との決着を着ける場だ。貴様に渡すわけにはいかぬ」
「それは俺とて同じこと」
タイタンはシャドウを見据えて言った。
「俺もあの男と決着を着けなければならんからな。その為に死神博士の力を借りた」
「そうか、それは何よりだ」
「今の俺はあの男にも勝てる、貴様の出る幕はない」
「それはどうかな」
シャドウはそれに対して冷笑で返した。
「どういうことだ」
タイタンはその言葉に顔を向けた。無数の目がシャドウを睨む。
「例えば、だ」
シャドウはトランプのカードを切りながら言う。
「貴様がここで死んだとしたならば」
「やるつもりか」
タイタンはその言葉に身構えた。
「安心しろ」
カードを切り終えたシャドウは言った。
「今貴様は死ぬ運命にはない。カードにはそう出ている」
「またカードか」
シャドウは構えを解きとシャドウの前のカードを見て言った。
「占いなぞで何がわかるというのだ」
「全てがわかる」
シャドウは皮肉な言葉を吐くタイタンに対して素っ気なく返した。
「俺の占いが外れることはない。それで俺は今まで戦ってきたのだ」
「フン」
タイタンはそれを聞き顔を一瞬そむけた。
「どのみち勝てなければ意味はない。あの男に勝ってこそ、だ」
「その為に未来を知っていて損はないぞ」
「そんなものは自分の手で掴むのだ」
タイタンは言った。
「この力でな。時として奪い取る。それがバダンの掟だ」
右手を顔の前に開いて言う。そこには赤い炎が漂っている。
「確かにそうだ。しかし俺は違う」
シャドウは反論した。
「俺はあくまでカードに従って動く。そこから全てがはじますのだ」
「ならばそうするがいい」
タイタンは突き放すようにして言った。
「どちらにしろストロンガーを倒すのは俺だ」
「それはどうかな」
シャドウも負けてはいない。
「奴を倒すのは俺だとカードが教えているが」
彼はそこでタイタンに対し一枚のカードを見せた。スペードのキングである。
「これが何を意味するか、わかるな」
「わからんな」
タイタンはそれを見てもなおうそぶいた。
「俺はカードなぞ信じぬからな」
「そうか。ならばいい」
シャドウはカードを引っ込めた。
「いずれ
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