隻眼の軍人
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こうよ」
実は食べる量はがんがんじいの方がずっと多い。しかしそれでも筑波は割り勘でいっているのだ。
「水臭いことはいいっこなしでっせ」
がんがんじいはそんな筑波に対して言った。
「今日はわいの奢りつったら奢りでっさかい」
「そこまで言うんなら」
彼も納得した。がんがんじいはそんな彼を押し立てるようにして前の店に入る。
そして二人は食事を採った。がんがんじいの言葉通り彼の奢りであった。
それを遠くから見る影があった。
「勲章か」
カーキ色の軍服に身を包んだ隻眼の男である。ゼネラルモンスターだ。
「私にとっての勲章は一つしかないな」
彼は筑波達が入った店を見下ろしながら言った。
「それは筑波洋、貴様の命だけだ」
その目には冷たい炎が宿っていた。
「今度こそ貴様を倒す、ネオショッカーの時以来の我が悲願を果す為にな」
その後ろに数人の戦闘員が姿をあらわした。
「ゼネラルモンスター」
「何だ」
彼は後ろを振り返ることなく答えた。
「既にバグダットに怪人の配備を終えました」
「そうか」
彼は相変わらず振り返ることなく答えた。
「ではそろそろ作戦を発動するとしよう」
「ハッ」
戦闘員達は敬礼した。
「アメリカ軍も原理主義者も関係ない。我等はこのバグダットを占領するのみだ」
「はい」
「そしてここを拠点に中東を征服する。わかっておるな」
「当然でございます」
「ならばよい」
ゼネラルモンスターはそれを聞いて頷いた。
「その時には時空破断システムで全てを破壊する。そしてその廃墟のあとに我がバダンの世界が築かれるのだ」
彼はここでニヤリ、と笑った。
「よいな、そしてその為には」
眼下を見下ろす。
「スカイライダー、筑波洋は必ず除いておかなければならない」
ゼネラルモンスターは姿を消した。そしてあとには硝煙の匂いが漂っていた。
「フム、もうすぐはじまるか」
ゼネラルシャドウは赤い円卓の上でトランプ占いの結果を見て呟いた。
「ゼネラルモンスターも本気を出すか」
そのカードの結果は彼に戦いを知らせていた。
「これは面白いことになりそうだ」
「気楽に言うな」
ここで何者かの声がした。
「奴が時空破断システムを使用して中東を廃墟にしたならばこのシチリアにも影響が出るかも知れないというのに」
部屋の中に巨大な火の球が姿を現わした。
「貴様か」
シャドウはその火球を見て口の端を歪めて笑った。
「貴様はそれがわかっているのか」
百目タイタンは火球から姿を現わしてシャドウに対して言った。
「当然だ」
シャドウは口の端を歪めたまま答えた。
「そうでなくてはどうして楽しめるというのだ」
「フン」
タイタンはそれを見てその無数の目を歪めさせ
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