隻眼の軍人
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神話において巨人族は人間や神々の宿敵である。だが今タイタンが言った巨人達はそれ程力はない。
「炎の巨人の力か」
北欧神話において最も怖れられているのは炎の国ムスペルムヘイムに住むこの巨人達だ。彼等は全身が炎に覆われている。そして自分達の国から普段は出ようとしない。その国は全てが炎に包まれ他の世界の住人達は入ることすらできないのだ。
だが彼等は一度だけ他の世界に姿を現わすと言われている。それは世界が滅亡する時だ。
神々の黄昏、俗に言うラグナロクである。この時彼等は炎の国を出て神々のいるヴァルハラに攻め込んで来る。そして神々と熾烈な戦いを演じるのだ。
そして最後に世界に立っているのは彼等の王スルトである。彼はその手に持つ炎の剣レーヴァティンで全ての者が倒れた世界を焼き尽くす。そして炎の世界に戻っていくのだという。
神々も世界も焼き尽くす恐るべき力を持った彼等のことはあまりよく伝えられていない。表の世界に伝わるにはあまりにもその力が強大なのだ。
「だとしたらどうする」
彼は不敵な笑みを浮かべた。
「そうか、成程な」
タイタンはそこに答えを見た。
「流石だな、あの力を使えるとは」
「知るのにかなり苦労したがな」
「確かにあの力をもってすれば仮面ライダーX3を倒すこともできるだろう。しかしな」
「しかし、何だ!?」
ドクトル=ゲーはここに引っ掛かるものを感じた。
「炎にも弱点はある」
「それはどういうことだ!?」
「俺は全身に炎を持っている」
「それは知っている」
ゲーは何を言う、と言わんばかりの態度でもって応えた。
「まあ聞け。その俺もかってその炎の力で敗れた。それも二度だ」
「ブラックサタンの時にだな」
「うむ」
「だがあの時は炎の力の関係だったのだろう」
「簡単に言うとそうなるな」
一回目の戦いでは海に投げ込まれ、その冷却により敗れた。そして二度目はその力の許容量を超えていた為肩の部分を攻撃され、そこからマグマを噴き出して敗れた。
「だが俺が言いたいのはそれではない」
「わからんな」
ゲーはそれを聞き顔を顰めた。
「お主のその力のことではないのか!?」
「だから落ち着いて聞け」
タイタンはそんな彼に諭すようにして言った。
「炎の巨人の力にも欠点はあるというのだ」
「それは何だ!?」
「そこまでは俺は知らん。ゲルマンの魔術には詳しくないのでな」
「そうなのか」
ドクトル=ゲーはそれを聞きいささか拍子抜けした。
「だが完全な魔術なぞない、それに頼り過ぎるな、ということだ」
「それはわかっているが」
「わかっていればいいがな」
タイタンはそれ以上は言わなかった。
「わかっているならいい。では健闘を祈る」
「礼を言う。長居したな」
「それは構わん。では中国
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