隻眼の軍人
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それを投げた。
「さあ、これで最後だ!」
ヤモリジンは叫んだ。そしてその瞬間左腕をスカイライダーから外した。
「今だっ!」
ライダーはそれを見てすぐに跳んだ。その瞬間までいた場所で爆発が起こった。
「ムッ!」
ヤモリジンは咄嗟に上を見た。そしてすぐに身構えようとする。
しかしライダーの方が早かった。彼は既に空中で攻撃の用意を整えていた。
「これで最後だヤモリジン、いやゼネラルモンスター!」
彼は激しく回転しながら言った。
「大回転・・・・・・」
天高く舞い上がった彼は前転を繰り返しながら急降下する。
「スカイキィーーーーーーーック!」
そして渾身の力を込めた蹴りを放った。それは身構えようとするヤモリジンのガードをかいくぐりその胸を撃った。
「ウオオオッ!」
ヤモリジンはそれを弾き返そうとする。だが力及ばず吹き飛ばされた。
激しく床に叩き付けられる。何度も床にバウンドし遂に止まった。
「決まったな」
スカイライダーは着地した。そして床に倒れ込む彼を見下ろして言った。
「見事だ」
ヤモリジンは立ち上がりながらスカイライダーに対して言った。
「どうやらまた敗れたようだな」
そしてゼネラルモンスターの姿に戻っていく。カーキ色の軍服の胸が血に染まっている。
「まさか二度に渡って敗れるとはな、この私が」
彼はここでニヤリ、と笑った。
「見事だ、スカイライダー」
「ゼネラルモンスター・・・・・・」
その言葉に恨みも憎悪もなかった。ただ強敵を褒め称える言葉があるだけだった。
「私の負けだ。どうやら君は常に私より上にいたらしい」
彼は異様に清々しい顔で述べた。
「さらばだ。多くは言わない」
そして口から血を吐いた。
「早くこの塔から立ち去るがいい。私と死と共にこの塔は崩壊する」
「何と」
「私の身体には爆弾が埋め込まれている。私の死により爆発するようになっているのだ」
これは改造人間の常であった。
「それによりこの塔も崩壊する。さあ早く行け。私が倒れぬうちにな」
「・・・・・・わかった」
スカイライダーは頷くと後ろを振り向いた。そこには博士とがんがんじいがいた。
「少し手洗いですが我慢して下さい」
そして二人を両脇に抱えた。そこでもう一度ゼネラルモンスターの方へ顔を向けた。
「ゼネラルモンスター」
彼に語りかけた。
「何だ」
「さようなら。見事だったぞ」
「礼を言う」
彼は死相を浮かべながらもそう言った。
「じゃあな」
スカイライダーは二人を抱え上にあがった。そして庭園から離れていった。
「フフフ、最後まで見事な男だ。味方であったならな」
ゼネラルモンスターはそう言うとゆっくりと前に倒れた。そして爆発の中に消えた。
それが合図だ
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