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仮面ライダーZX 〜十人の光の戦士達〜
サバンナの巨象
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ておけぬ。無駄に戦力を消耗してしまうのでな」
「兵器の準備はできているのだろうな」
 声の主はゆっくりとキバ男爵に近付いてきていた。
「当然だ、だからこそ行くのだ」
 キバ男爵は落ち着いた声で言った。
「そういうお主も準備はできているのだろうな」
 そして後ろを振り向いた。
「無論だ。後はあの男が来るのを待つだけだ」
 その男はドクトル=ゲーだった。彼は血に飢えた陰惨な笑みを浮かべながら言った。
「仮面ライダーX3か。できるならこの私が相手をしたかったが」
 キバ男爵はデストロンにいた時の屈辱を忘れたわけではなかった。恨みを込めた声でそう言った。
「それは致し方あるまい。だがお主にも獲物があるではないか」
「確かに」
 男爵はゲーの言葉に対して頷いた。
「私にとってはおあつらえ向きの獲物かも知れぬな」
 彼は表情を変えることなくそう言った。
「奴には何か感じるところがある」
「それは何だ!?」
 ゲーは問うた。
「うむ、何かな。このサバンナで戦う運命だったような気がするのだ」
「運命か」
「そうだ、私はこのアフリカで長い間戦ってきた」
 キバ一族はアフリカの暗黒宗教を信じる部族であった。その長となった彼もまたその暗黒宗教を信奉している。
「奴はアマゾンだがな。しかしどちらも文明とは無縁の場所だ」
「そういえばそうだな」
 ドクトル=ゲーはそれを聞いて言った。
「そうだ、私は日本に来た時妙な違和感を覚えたものだ。ここは私に相応しい場所ではない、とな」
「ではこのサバンナの方がよいのだな」
「うむ。アフリカこそ私が戦う場所に相応しい。そう考えている」
「そうか」
 ゲーはそれを聞いて頷いた。
「では仮面ライダーアマゾンはお主に任せてもよいな」
「うむ。お主は仮面ライダーX3をやるがよい。それを私に約束させたくてここに来たのだろう」
「わかっていたか」
 ゲーはその言葉を聞いて不敵に笑った。
「わからないと思ったか。お主のあの男への執念を知っていて」
「フフフ、ならばいい」
 彼は満足そうに頷いた。
「仮面ラァーーーーイダX3は私が倒す。手出し等は一切無用だ」
「こちらもだ。私は獲物を狩るのに他の者の手は借りない主義だ」
「ならばこれで決まりだな」
「うむ、健闘を期待するぞ」
「そちらこそな。見事アマゾンの首をとるがよい」
「わかっておる、その時はまずお主に見せてやろう、アマゾンライダーの首を」
「楽しみにしているぞ。それではな」
「うむ」
 ドクトル=ゲーは別れの挨拶と共に姿を消した。あとにはキバ男爵だけが残った。
「アマゾンライダーよ」
 彼の後ろで何か巨大なものが動く音がした。
「今度こそ貴様の最後だ」
 まるで何か巨大な生物が歩くような音がする。それは夜のサ
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