サバンナの巨象
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る。アマゾンそう考えている」
「そうなんだ」
「そう、だから文句言うのよくない。それよりもバダン倒す、その方が大事」
「そうだったな、バダンがいるんだ」
モグラ獣人はその言葉に対し頷いた。
「今もここの何処かでおいら達を見ているんだよな」
「うん」
「そして隙あらば、か。油断できないな」
モグラ獣人は川から出て周りを見回したあとで言った。
「うん、けれどそれいつものこと」
アマゾンは言った。
「だから特に気を張り詰める必要ない。いつもと同じ」
「いつもと同じか」
モグラ獣人はやや困ったような声をあげた。
「いつもバダンと戦っているもんなあ。本当に」
「それアマゾン達の仕事」
「そうなんだよなあ、早く終わって平和に暮らしたいよ」
「その日何時か必ずやってくる」
アマゾンはモグラ獣人に対して言った。
「けれどそれにはバダン倒さなくてはいけない。その為にアマゾンいる」
「アマゾン」
モグラ獣人はその言葉に顔を向けさせた。
「モグラの力も必要、アマゾンも一人じゃ戦えない」
「わかってるよ」
彼はそれに対して微笑んでみせた。
「おいらは弱いし臆病だけれどアマゾンのことは好きだよ。だからこんなおいらでも力になれたらいいと思ってるよ」
「モグラ」
アマゾンはそれを聞き嬉しそうな表情を作った。
「おいらも出来ることの範囲で力になるよ。そしてバダンをやっつけようぜ」
「うん、アマゾン戦う。そして世界平和にする」
「そうこなっくちゃ」
彼等はここで両手を握り合った。そしてまた歩きはじめた。
二人はシマウマの群れの横にやって来た。サバンナの名物である動物の一つだ。
「本当に変わった模様だなあ」
モグラ獣人はそれを見ながら呟いた。
「何でこんな模様なんだろう」
「これ保護色」
アマゾンは彼に対して言った。
「保護色!?こんなに派手な色と模様なのに!?」
「そう、保護色」
アマゾンはにこりと笑って答えた。
「ライオンや豹の目人間のと違う。色がわからない」
「そうなんだ」
哺乳類で色の識別ができるのは人間と猿だけである。他の哺乳類は白黒でしかものを見ることができない。
「だから隠れられる。シマウマ周りの風景に隠れられる」
「そうやって自分の身を守っているんだね」
「そういうこと、要するにアマゾンの生き物と同じ」
「そうだったんだ、勉強になるなあ」
「アマゾンもモグラもこの身体は隠すことできる。シマウマもそれをしている。だから同じ」
「そうだね、けれどおいら達は戦う相手が違うけれど」
二人はシマウマの群れの間に入った。そしてその草を食べる様子を目を細めて見ていた。
だがそれはすぐに終えなければならなかった。ここでバダンの攻撃を受けたのだ。
「!?」
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