サバンナの巨象
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ンは笑顔でそれに応えた。そして二人はまた歩きはじめた。
キバ男爵はそれを遠くから見ていた。そして言った。
「怪人はあと三体残っていたな」
「はい」
戦闘員の一人が答えた。
「よし」
彼はそれを聞くと頷いた。
「あの兵器だがな」
「はい」
「可動式にできるか」
「可動式ですか!?」
戦闘員達はそれを聞き思わず声をあげた。
「そうだ、可動式だ」
キバ男爵はそれに対し顔を向けて言った。
「誘き出そうと思ったがそれはできないようだ。むしろこちらが攻めてくるのを待っている」
彼はアマゾン達に顔を戻して言った。
「あの男は生まれついての狩人だ。その程度のことはできる」
彼もまたロシアで勇名を馳せキバ一族の長として君臨してきた男である。密林において猛獣達を屠ってきた。そのことはよくわかる。
「ならばこちらもそれに乗ってやる」
彼は目の光を鋭くさせた。
「こちらから出向いて倒す、怪人達に召集をかけよ」
「わかりました」
戦闘員達はその指示に対して敬礼した。
「そしてあれだがな」
キバ男爵はここで兵器について言及した。
「自走式にできるか」
「自走式ですか」
「そうだ、それなら狩りに使える。アマゾンを追ってな。できるか」
「お任せ下さい」
戦闘員の一人が答えた。
「万難を排してやってみせます」
「頼むぞ」
キバ男爵は顔をアマゾン達に向けたまま言った。
「アマゾンライダーよ」
そして遥か遠くのアマゾンに対して言葉をかけた。
「貴様の望み通りこちらから攻めてやる。しかしな」
彼はまた目の光を強くさせた。
「勝利を収めるのは我々だ。このバダンがな」
彼はそう言うと姿を消した。そしてサバンナはまた太陽の光に支配された。
アマゾンとモグラ獣人は川辺にいた。そして水を飲んでいる。
「いいなあ、やっぱり久し振りに川で飲む水はいいよ」
「うん、普段飲む水とやっぱり違う。いい」
モグラ獣人は水浴びまでしている。アマゾンは水を手ですくって飲んでいる。
「いつもは土を掘って飲んでいるもんな。それに比べたら全然違うよ」
「けれどサバンナはそういうところ。水凄く貴重」
アマゾンは愚痴を言うモグラ獣人に対して言った。
「アマゾンとは違う。それはわからないといけない」
その口調ややや厳しめであった。
「そうなんだよなあ、アマゾンと違うんだよな」
モグラ獣人は残念そうな顔をした。
「アマゾンなら水は飽きる程あるし食べ物も豊富なのに。ここはそれに比べてかなり苦しいよ」
彼等は主に魚や果物を食べる。だからサバンナの食事には慣れていないのだ。
「けれど仕方ない」
アマゾンはそんな彼に対して言った。
「アマゾンにはアマゾンの、サバンナにはサバンナの状況があ
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