暁 〜小説投稿サイト〜
仮面ライダーZX 〜十人の光の戦士達〜
サバンナの巨象
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 その身体にゆっくりと気が集まりはじめた。

 アーーーーー
 両手を半ば拡げる。その指はまるで爪を立たせたようである。
 雨腕は肩の高さで横に開いている。そして肘を直角にし上に向けている。
 マーーーーー
 その腕を胸の前でクロスさせた。
 身体が緑と赤のマダラに覆われる。背中と両手両足に鰭が生え手袋とブーツが黒くなる。
 ゾーーーーーン!
 その両腕を元に戻す。眼が赤く光った。
 白い光がアマゾンの全身を包む。その中右半分、左半分と獣の仮面が顔を覆っていく。
 
 光が消えた。仮面ライダーアマゾンがそこに姿をあらわした。
「ケケーーーーーーッ!」
 アマゾンは奇声を発した。そして両手の鰭を擦り合わせ威嚇の音を出した。
「変身したか」
 キバ男爵はそれを見て言った。
「ならば容赦する必要はない。やれい!」
 再び槍を振り下ろした。巨象の口から再びあの黒い光が放たれる。
「ケケッ!」
 アマゾンは恐るべき跳躍でそれをあくぁす。だが巨象はそこに続けて光を放つ。
 それに対しアマゾンは空中で方向転換してかわした。そこに戦闘員達が襲い掛かる。
「無駄っ!」
 アマゾンはその戦闘員達を爪で切り裂いた。胸や腹を切り裂かれた彼等はそのまま地に落ちる。
 アマゾンは着地した。そこへまた黒い光が襲い掛かる。
 今度は横に滑った。そして追いかけてくるその光をかわす。
 戦闘員達はそこに骨の槍を投げる。だがそれはアマゾンの鰭の前に全て叩き落とされる。
 アマゾンはまた跳躍した。天高く跳ぶ。
「ケケーーーーーーーーーーーッ!」
 光がそれを追うが間に合わない。アマゾンは空中で一回転した。
 そして巨象の頭上に着地した。
「ここなら攻撃受けない」
「ヌウウ」
 キバ男爵はそれを見上げて歯噛みした。
「黒い光、この世に存在しない」
 アマゾンは巨象を見下ろしながら言った。
「だから潰す、そして世界救う!」
 そう言うと右腕を大きく振り被った。
「スーーーパーーーー大切断っ!」
 ギギの腕輪とガガの腕輪の力を最大にまで出したうえで繰り出すアマゾン最大の大技の一つである。それを巨象の脳天めがけ振り下ろしたのだ。
 白い光が巨象の身体の中心を走った。そしてそれが消えた時アマゾンは地面に着地していた。
「これで巨象死んだ。黒い光もう出ない」
 巨象は動きを止めていた。そしてやがてゆっくりと左右に分かれていく。
 アマゾンの後ろで巨象が真っ二つになった。そして爆発が起こった。
「おのれ、よくも」
 キバ男爵は爆風を背に受け立っているアマゾンを睨みつけた。
「かくなるうえは」
 戦闘員達がアマゾンを取り囲んだ。キバ男爵は彼の正面に立った。
「私自ら貴様を倒してやろうぞ」
 彼は槍を顔の前にかざした。
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