サバンナの巨象
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サバンナ中に網の目の様に監視網を作り二人を監視していた。
「アマゾンの動きはどうだ」
キバ男爵は夕闇が覆うサバンナで戦闘員からの報告を受けていた。
「ハッ、やはり手強いです」
その戦闘員は敬礼をして答えた。
「中々隙を見せません。どうやらこちらの動きを知っているようです」
「そうだろうな」
彼はそれを聞いて言った。
「アマゾンライダーはああ見えても手強い男だ。わしはそれをカンボジアで知った」
「カンボジア・・・・・・アンコールワットの戦いでですね」
「そうだ、あの時はアマゾン一人を狙ったが」
彼はマンモスの骨の兜の下で言った。
「全く相手にならなかった。こちらの刺客は全て倒されてしまった」
「そして日本でもアマゾンでも我々は奴の前に一敗地にまみれましたな」
「うむ。まるで獣の様な男だ。おそらく今は逆にこちらの隙を窺っているのだろう」
「こちらのですか」
「そうだ、油断してはならぬぞ」
「わかりました」
その戦闘員は答えた。
「だがこちらにも切り札がある」
キバ男爵は顔を上げて言った。
「奴ですら一撃で倒すあの兵器がな」
「はい、アマゾンライダーをこのサバンナと共に消し去ってやりましょう」
戦闘員は頭を垂れて言った。
「その為には何をするべきか」
キバ男爵はここで考え込んだ。
「誘き出すべきか、それとも」
彼は言葉を続ける。
「一気に消し去るか」
そう言いながら闇の中へ消えた。夜のサバンナに象の咆哮が聞こえた。
アマゾンとモグラ獣人は休んでいた。二人はモグラ獣人の掘った穴に入っている。
「何かツチブタみたいだな」
モグラ獣人は穴の中で笑いながらアマゾンに対して言った。
「ツチブタ!?ああ、あれか」
アマゾンはそれを聞いてある動物を思い出した。
ツチブタとはサバンナに住む動物である。土に穴を掘ってその中で暮らしている。夜行性の哺乳類である。
「似てるだろ、こうして穴の中にいるから。まあおいら達は昼に動いているけれど」
「確かに似てる。アマゾンとモグラツチブタそっくり」
「おいおい、けれどおいらはあんなに不細工じゃないよ」
彼は困った顔をしてそれを否定した。
「こんな男前を捕まえて何を言うんだよ」
「御免」
アマゾンは素直に謝罪した。
「モグラいい奴。アマゾンそれ保証する」
「顔はなしかよ。まあいいや」
元々そんなことにこだわる男ではない。彼等はそのまま穴の中で休息に入った。
「なあアマゾン」
モグラ獣人が不意に話しかけてきた。
「モグラ、どうした?」
アマゾンは顔を上げて尋ねてきた。
「何で昼動かないんだい!?おいらもアマゾンも夜でも平気なのに」
彼は不思議そうに尋ねた。
「夜は特別」
アマゾンはそう答えた。
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