十三人の自分
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「フン、随分と数が減ったものだな」
ドクトル=ゲーはゾル大佐とブラック将軍の死を自身の基地で聞いていた。
「これで残ったのは何人だ。最早数える程しかおらんではないか」
「はい、まことに残念ですが・・・・・・」
報告した戦闘員は無念そうに頭を垂れた。
「私は仮面ラァーーーイダX3を倒せればそれでよいがな。しかし」
彼はここで言葉を一旦区切った。
「戦力の消耗がな。ましてやブラック将軍が死んだとなると大きい」
ブラック将軍は人の血から改造人間を復活させることができた。バダンの戦力は彼の力によるところも大きかったのである。
「そちらはまだ何とかなるようです。我がバダンの科学陣が総力を挙げて復活させておりますから」
「ならばよいがな。実際に我々の主戦力は怪人なのだしな」
「はい」
「あと新兵器が開発されているそうだな」
「ええ、それで今度の作戦を執り行なえと首領からご指示がありました」
「新兵器か」
ドクトル=ゲーはそれを聞いて考える顔をした。
「それがどういうものかは知らないが」
彼はそう前置きしたうえで言った。
「存分に使わせてもらいたいな。バダンの為には」
「はい」
戦闘員はその言葉に対し頷いた。
「だがそれだけとは思えぬ」
「といいますと!?」
「うむ。さっきも言ったな。我等の主戦力は改造人間だと」
「はい」
「その改造人間がなくして我等は動かぬ。それを考えるとまた何かしらの改造人間も開発しているのではないか」
「まさか」
「だがな。暗闇大使のあの余裕を見るとそうではないか、とつい勘ぐってしまう」
今のバダンの最高幹部は暗闇大使である。暫定的ではあるが首領が直接任命したものだ。
「その彼が何かしていたらとしたら。これは充分有り得るぞ」
「そうでしょうか。しかしもしそうだとしたら」
「わからん。だが彼も今は直属の部下はいない」
バダンの改造人間達は皆日本各地でのライダー達との戦いで戦死していた。すくなくとも彼はそう聞いている。
「だがそれは新たに造ればいいだけだ」
「それはそうですが」
「その話も聞かないが。これはどういうことだと思う?」
「私に言われましても・・・・・・」
戦闘員の知ることができることなぞほんの僅かである。大幹部が知らないことを知っている筈がなかった。ゲーも話していてそれに気付いた。
「済まん、貴様に尋ねても仕方のないことだった」
「はあ」
「それにしても何か妙な感じがするのだ」
ドクトル=ゲーにはある疑念があった。
「何かある、暗闇大使は絶対に何かを企んでいる」
彼も伊達にデストロンにおいて大幹部を勤めていたわけではない。その勘は鋭いものがあった。
「だが暫くは様子見だな」
彼は腕を組んで言った。
「それも近いうちにわかるだ
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