十三人の自分
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「ふむ。マシーン大元帥自ら前哨戦に出て来るとはな」
「それだけあの男を警戒しているということでしょうか」
「おそらくな。口ではどう言ってもやはり油断のならない相手だからな、ゼクロスは」
「はい。我がバダンの総力を挙げて作り上げただけはあります。惜しむらくはそれが今敵に回っているということです」
「うむ。だがその技術をコピーしておいて正解だったな」
暗闇大使はそれを聞いて言った。
「おかげで新たな戦士達が甦った」
そう言うと右に顔を向けた。そこは改造室であった。
そこで何人かの改造人間が横たえられている。そのシルエットは何かに酷似していた。
「遂にこの者達が姿を現わす時が来たな」
「はい、ここまでやるのには骨が折れました」
その戦闘員は苦労を思い出すようにして言った。
「フフフ、だがその介があったというものだ」
暗闇大使はそれに対してねぎらいをかけるようにして言った。
「この者達がバダンの第二の切り札となるのだからな」
「はい、あの兵器と並ぶ我等の切り札ですな」
「そうだ、今までの作戦はほんの序章に過ぎん」
暗闇大使はその改造人間達を目を細めて見ながら言った。
「これから起こることに比べればな」
「はい。これで世界は我がバダンのものとなりましょう」
「そうだ、この世界が偉大なる我が首領のものとなるのだ」
「そして全てが闇に覆われる」
「恐怖と絶望が支配する世界が訪れる」
「フフフ・・・・・・」
「ハハハハハハハ・・・・・・」
彼等は暗黒に包まれた。そしてその中で無気味な笑いが何時までも響いていた。
競馬場での戦いを終えたゼクロスは村雨に戻った。そしてオンタリオ湖を眺めていた。
「綺麗な湖だな」
彼はそれを見て感慨に耽っていた。
「戦いが終わればこうした場所に住みたい」
そしてそう呟いた。
「何時になるかはわからないがな」
そうであった。彼等の戦いは何時終わるかわからない。それは彼等自身が最もよくわかっていた。
「しかし何時かは終わりますよ」
そこで誰かの声がした。
「そうだといいのですが」
村雨は振り返らずその声に対し答えた。
「役さんはどうお考えですか」
そして横にやって来た役に尋ねた。
「そうですね」
どうやら彼は村雨がこのカナダに来ることを前から知っていたようである。
「あのショッカーのことをご存知ですか」
「はい」
村雨は答えた。
「本郷さんと一文字さんが戦った組織ですね。あの首領がはじめて作った組織らしいですが」
「はい。その戦力は強大でした。そしてこちらは最初は本郷さん一人でした」
本郷は一人であった。そして最初は孤独な戦いを強いられていたのだ。
「ですが次第に仲間が増え一文字さんも加わりました。そしてショッカーも倒れ
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