暁 〜小説投稿サイト〜
仮面ライダーZX 〜十人の光の戦士達〜
十三人の自分
[27/29]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
答えた。その声は沈んだものとなっていた。
「かってショッカーライダーがありましたが」
 ゲルショッカーがアンチショッカー同盟を倒す為に開発した六人のライダーのコピーである。ショッカーに残っていたライダーのデータを使い開発したものであった。
 まずはハエトリバチと共同でライダー一号を海に叩き落とした。しかしそこでライダー二号こと一文字隼人が姿を現わし状況が変わった。そして二号と生きていた一号がやって来てダブルライダーとショッカーライダー達の戦いがはじまった。
 結果はダブルライダーの勝利であった。ショッカーライダーは数に勝りながらもその能力はダブルライダーと比べると劣っていた。これはもとになった人間の違いであった。
 本郷猛も一文字隼人もショッカーにその常人離れした能力を買われライダーに改造された。心技体どれをとっても超人的な二人と比べると流石にショッカーライダー達は劣っていた。それが結果に出たのだ。
 ダブルライダーは勝った。それからもそれぞれの組織はことあるごとにライダーの偽者を開発した。だが所詮偽者は偽者であった。ライダー達には到底及ばなかった。
「しかし今回は違うようですね」
 役は言った。
「全身から発せられていたあの黒い光」
 それはこの世の常識ではありえないものである。
「あれこそがその証」
「ですね」
 それはゼクロスにもわかっていた。彼もバダンとの戦いでそれを知っていた。
「おそらく彼等はライダーとしての力だけではありません」
「ではやはり」
「ええ。怪人の力も併せ持っているでしょう」
 当然それは考えられた。彼等の前の身体は怪人なのだから。
「気をつけて下さい、彼等は強いです」
「はい」
「しかもバダンの武器は彼等だけではないでしょう」
「といいますと」
「あの黒い光」
 役はまたあの光のことを口にした。
「あれを他のものに使ったなら」
「何か怖ろしいものができる」
「はい。全てを破壊するような力が」
「全てを破壊・・・・・・」
 ゼクロスは言葉を暗くさせた。
「ゼクロス、いえ仮面ライダー」
 役はここであえて仮面ライダーと言った。
「世界は貴方達の手にかかっています。世界を守って下さい」
「しかし俺には」
「いえ、貴方ならできます」
 役は口篭もろうとする彼に対し言った。
「あの時一人の少女を助けた貴方なら」
「俺なら・・・・・・」
「はい、期待していますよ」
 彼はここで微笑んでみせた。
「わかりました」
 ゼクロスにはそう答えるしかなかった。
「この世界、そして人々の命」
 ゼクロスは顎を上げて言う。
「俺が守ってみせます」
「はい」
 二人は夕陽が映える滝の上で誓い合った。そして二人は新たな戦場へ向かうのであった。

「また派手な宣戦布告を
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ