十三人の自分
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答えた。その声は沈んだものとなっていた。
「かってショッカーライダーがありましたが」
ゲルショッカーがアンチショッカー同盟を倒す為に開発した六人のライダーのコピーである。ショッカーに残っていたライダーのデータを使い開発したものであった。
まずはハエトリバチと共同でライダー一号を海に叩き落とした。しかしそこでライダー二号こと一文字隼人が姿を現わし状況が変わった。そして二号と生きていた一号がやって来てダブルライダーとショッカーライダー達の戦いがはじまった。
結果はダブルライダーの勝利であった。ショッカーライダーは数に勝りながらもその能力はダブルライダーと比べると劣っていた。これはもとになった人間の違いであった。
本郷猛も一文字隼人もショッカーにその常人離れした能力を買われライダーに改造された。心技体どれをとっても超人的な二人と比べると流石にショッカーライダー達は劣っていた。それが結果に出たのだ。
ダブルライダーは勝った。それからもそれぞれの組織はことあるごとにライダーの偽者を開発した。だが所詮偽者は偽者であった。ライダー達には到底及ばなかった。
「しかし今回は違うようですね」
役は言った。
「全身から発せられていたあの黒い光」
それはこの世の常識ではありえないものである。
「あれこそがその証」
「ですね」
それはゼクロスにもわかっていた。彼もバダンとの戦いでそれを知っていた。
「おそらく彼等はライダーとしての力だけではありません」
「ではやはり」
「ええ。怪人の力も併せ持っているでしょう」
当然それは考えられた。彼等の前の身体は怪人なのだから。
「気をつけて下さい、彼等は強いです」
「はい」
「しかもバダンの武器は彼等だけではないでしょう」
「といいますと」
「あの黒い光」
役はまたあの光のことを口にした。
「あれを他のものに使ったなら」
「何か怖ろしいものができる」
「はい。全てを破壊するような力が」
「全てを破壊・・・・・・」
ゼクロスは言葉を暗くさせた。
「ゼクロス、いえ仮面ライダー」
役はここであえて仮面ライダーと言った。
「世界は貴方達の手にかかっています。世界を守って下さい」
「しかし俺には」
「いえ、貴方ならできます」
役は口篭もろうとする彼に対し言った。
「あの時一人の少女を助けた貴方なら」
「俺なら・・・・・・」
「はい、期待していますよ」
彼はここで微笑んでみせた。
「わかりました」
ゼクロスにはそう答えるしかなかった。
「この世界、そして人々の命」
ゼクロスは顎を上げて言う。
「俺が守ってみせます」
「はい」
二人は夕陽が映える滝の上で誓い合った。そして二人は新たな戦場へ向かうのであった。
「また派手な宣戦布告を
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