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仮面ライダーZX 〜十人の光の戦士達〜
十三人の自分
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まあどのみち見せるつもりだったがな」
 暗闇大使は言葉を続けた。
「さて」
 そして前に出て改造人間達の方へ顔を向けた。
「見せてやれ、貴様等の新しい姿を」
「わかりました」
「はい」
「ああ」
 彼等は口々に答えた。そして不敵に笑った。
「ムッ!?」
 その瞬間十二の光が彼等を包んだ。
 その光は普通の光ではなかった。黒い、暗闇の光であった。
「馬鹿な、こんなものは有り得ない・・・・・・」
 役は驚愕の声を出した。
「フフフ、この世の常識ではな」
 暗闇大使は黒い光の中言った。
「だが我々はこの世の力だけではないのだ」
 彼の声は自信に満ちていた。
「どういうことだ!?」
 ゼクロスはそれに対して問うた。
「今教えるつもりはない」
 彼は言った。
「今教えても面白くはない。そうだな」
 彼はここでニヤリ、と笑った。
「貴様等が我々の軍門に降る時に教えてやろう」
「戯れ言を」
 ゼクロスはそれを聞いて言った。
「戯れ言かどうかはやがてわかることだ」
 やはり暗闇大使の声は自信に満ちたものであった。
「まあ今は落ち着いてこれを見るがいい」
「な・・・・・・」
 次第に黒い光が消えていく。ゼクロスはそれを見て次第に驚愕の色を露わにしだした。
 そこにはゼクロスがいた。厳密に言うと彼ではない。彼と同じ姿をした者達だ。
 色は違う。赤ではない。青、黄、緑、紫、茶、白、黒、灰、橙、金、銀、そして虹色のゼクロスがいた。彼等は黒い光が消え去るとそこに姿を現わしたのだ。
「どうだ、流石に驚いたようだな」
 暗闇大使は不敵に笑いながら言った。
「自分自身が今ここにいるのだからな」
「クッ・・・・・・」
 ゼクロスはそれを見て歯噛みした。
「どうだ、この者達は。素晴らしいだろう」
 暗闇大使は彼にそのゼクロス達を見せつけるようにして言った。
「姿だけではないぞ。力も貴様とおなじだ。無論装備もな」
 彼等はここでそれぞれ武器を取り出してみせた。
「そう、これも貴様と同じものだ」
「俺のコピーを作ってどういうつもりだ」
 彼は問うた。
「何をするか!?決まっているだろう」
 暗闇大使は不敵に笑って言った。
「この世を我等が手に収めるのだ。それ以外に何があるというのだ」
 彼は愚問だ、と言わんばかりの態度を示して言った。
「それが我がバダンの目的なのだからな」
 そして腕をゼクロスに向けた。
「今日のところはこれで終わりだ。ただの顔見世に過ぎんしな」
「顔見世か。えらく大袈裟にやってくれたな」
 役は大使を睨みつけて言った。
「顔見世は派手にやったほうがいいからな」
 彼はそれに対して言った。
「そうでなくてはこの者達の怖ろしさが貴様等にわからぬ」
「大した自信だな」

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