十三人の自分
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出た。そしてほぼ同時に拳を出した。激しい衝撃がその場を覆った。
二人は格闘戦をはじめた。ゼクロスはスピードで、マシーン大元帥はパワーでそれぞれ相手を倒そうとする。
だが双方の実力は拮抗していた。両者は互いに一歩も引かず戦いを続ける。
「ムンッ」
マシーン大元帥の渾身の一撃が襲う。ゼクロスはそれを見事な身のこなしでかわす。
「今度はこちらの番だ」
そして反撃に手刀を繰り出す。しかしそれはマシーン大元帥に防がれる。
両者の攻防は続いた。疲れは見られず互いに相手に攻撃を仕掛け続けた。
マシーン大元帥が蹴りを放った。それは回し蹴りだった。
「遅い」
ゼクロスはそれを屈んでかわした。そしてそれと同時に足払いを出した。
「ウオッ」
それを受けバランスを崩したところにゼクロスはさらに攻撃を続ける。まずは彼を掴んだ。
「行くぞ」
そのまま飛んだ。マシーン大元帥を上に掴んで。
「ほう、投げ技か」
彼は掴まれてもまだ余裕の表情であった。
「まさかそれで私を倒すつもりか」
「そうだ」
ゼクロスは答えた。
「無駄だ」
大元帥は言った。
「私の耐久力は知っているだろう」
「確かにな」
わかっているのかいないのか、そういった言葉であった。
「普通に投げたのならばな」
「何!?」
マシーン大元帥はその言葉にはじめて表情を変えた。
「これではどうかな」
ゼクロスはそう言うとマシーン大元帥の身体を頭上で激しく回しはじめた。
「あれは・・・・・・!」
下で戦いを見守る役はその技を見て思わず声をあげた。
「まさかこの技は・・・・・・」
技を受けているマシーン大元帥も表情を強張らせていた。
「そうだ、あの技だ」
ゼクロスはまだマシーン大元帥の身体を回転させている。そして投げる時に言った。
「ダブルライダーの持つ技の一つライダーきりもみシュート、俺のこの技はさしづめゼクロスきりもみシュートか」
マシーン大元帥は激しく回転しながら投げ飛ばされた。上へ飛んでいく。
「まだだ」
ゼクロスはそれを追う様に上に向かっている。そして頂点まできたところで急降下する。
「くらえ・・・・・・」
その真下にはマシーン大元帥がいる。今落ちようとしているところだ。そこに攻撃を加える。
「ゼクロスキィーーーーーーック!」
そして蹴りを浴びせた。それはマシーン大元帥の強固な腹を打ち抜いた。
「グフッ・・・・・・」
腹から鮮血がほとぼしり出る。口からも吐いた。
そして地に落ちる。激しい衝撃が全身を襲った。
「どうだ、最早立てまい」
着地したゼクロスは身構えながら大元帥を見て言った。
「フン」
マシーン大元帥はその言葉に対し冷笑で返した。
「私を甘く見るな」
何と立ち上がって
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