霧の中の断頭台
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りながら言った。
「いや」
だが二人はそれに対して首を横に振った。
「まだそう考えるには早いぜ、滝」
まずは一文字が言った。
「そうだ、奴等のことだ。まだまだ戦力はあるだろう。それに」
「それに・・・・・・!?」
滝は本郷の言葉を聞き思わず尋ねた。
「まだまだ手強い奴は残っている。油断はできない」
「そうか、そうだったな」
滝はそれを聞き表情を引き締めた。
「やはり最後まで油断はできないか」
「ああ。ショッカーやゲルショッカーの時もそうだっただろ。奴等は追い詰められても絶対に諦めない。必ず何かをやってくる連中だ」
「そうだな。ショッカーでは地獄大使が自らを処刑台に送ってまでわし等を罠に陥れた」
立花はパイプをくわえながらその時のことを思い出して言った。
「あの時でもかなり驚いたが」
彼は話を続けた。
「ゲルショッカーの時はもっと凄いことをやってくれたな」
「ええ、ブラック将軍ですね」
「まさか自分を囮にするとは。あれには驚きましたよ」
本郷と一文字はあの時の激戦を思い出していた。あの時は本郷もあわやというところであった。
「ましてや今はそのショッカーやゲルショッカーとは比較にならない程強大なバダンだ。おそらくこれ位じゃへこたれないだろうな」
「また何かやって来ると」
「当然だろうな」
立花は滝の問いに答えた。
「まだ何をしてくるかはわからん」
そう前ふりをしたうえで言う。
「だが確実にやってくる。この世界を崩壊させかねんようなことをな」
「ええ」
本郷と一文字はその言葉に対して頷いた。
「絶対に阻止しなくちゃならん。さもないと世界はあの連中の思うがままにされちまう」
そう言うと二人に顔を向けた。
「本郷、隼人」
「はい」
「はい」
二人は名を呼ばれそれに答えた。
「絶対にそれを防ぐんだ。それが出来るのは御前達ライダーしかいない」
「はい」
二人は強い身振りで頷いた。
「頼むぞ、世界は御前達にかかっている」
「ええ、それは」
「わかっていますよ」
二人は答えた。そこで霧が出て来た。
「霧か」
ロンドンの霧は最早この街の象徴ですらある。
「御前達がこの霧を守ったんだな」
立花は最後にそう言った。そして戦士達は次の戦場に向かうのであった。
霧の中の断頭台 完
2004・6・22
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