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仮面ライダーZX 〜十人の光の戦士達〜
霧の中の断頭台
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「再び上陸した。そして今橋頭堡を築いている」
「そうか」
「うむ。そして日本を死の国に変えてやるつもりだ」
 暗闇大使は無気味に笑ってそう言った。
「死の国に、か。ではわしも死の国を二つ三つ作ろうか」
「貴様に出来るのか」
「言うな」
 地獄大使は従兄弟を睨みつけた。
「貴様ごときに言われる筋合いはないわ」
「どうかな。あの時はわしの力がなくては何も出来なかったではないか」
 暗闇大使も負けていない。地獄大使を睨みかえし反論した。
「ほう、言ってくれるのう」
 地獄大使はその言葉を聞き再び顔を赤くさせた。今度は怒りで、である。
「貴様こそわしの陰に隠れてばかりだったではないか。参謀といっても所詮は日陰者よ」
「日陰者だとっ!」
 それを聞いた暗闇大使が激昂した。普段の冷静な様子からは信じられない程激しい口調であった。
「貴様がわしを利用していただけではないかっ!貴様はいつもわしを囮に自分だけ利を得ようとしていたのだ。フランス軍との時もアメリカ軍との時も・・・・・・」
「そして人民解放軍との時もだな」
 地獄大使は従兄弟が激昂したのが余程嬉しいのだろうか。ニタニタと笑いながらその顔を見ている。
「それは貴様が悪いのだ」
「何っ!」
「利用し、されるのがこの世界だ。何を甘いことを言っておる」
「貴様ァッ!」
 暗闇大使は鞭を振るおうとする。だが地獄大使もそれに対して身構えた。
「やるつもりか」
 そして不敵に笑った。
「わしは構わんが。だがどちらか死ぬことになるぞ」
「望むところだ。どのみち貴様とはいずれ決着をつけるつもりだからな」
「ほう、面白い。ではここでつけるとするか」
 二人は身構えて睨み合った。そして互いの隙を窺う。その時だった。
「待つがよい、二人共」
 不意にあの声がした。
「首領!」
 二人はその声を聞くと睨み合いをやめた。そして声のした方に身体を向けた。
「御前達は二人共私の大事な腹心だ。互いに争って何になるというのだ」
「これは失礼致しました」
「何とぞご容赦を」
 二人はその場に平伏した。
「わかればよい」
 首領はそれを許した。
「さあ立て。話がある」
 そして二人を立たせ話をはじめた。
「今回の作戦には我がバダンの浮沈がかかっている」
「ハッ」
 二人は立ちながらも頭を垂れてそれを聞いていた。
「それだけに御前達には期待している。何としても作戦を成功させるようにな」
「わかりました」
「そして仮面ライダーだが」
 首領はここでライダー達に話を向けた。
「おそらくその作戦を妨害にでるだろう。しかしそれは何としても排除せよ」
「わかりました」
「ライダーの打倒と合わせて作戦を進めるのだ。その為に犠牲がいくらかかろうが構わん」
「はい」

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