知の戦士
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れでよく今まで勝てたものだ。アタッチメントのせいか」
「そうね、おそらくこれがなければとっくの昔に倒されていたわ」
彼等はそう分析した。
「それでは戦い方は決まったな」
「ええ、まずはアタッチメントを潰しましょう。私達が出るのはそれから」
「うむ」
こうして二人は映像を切った。そしてその場をあとにした。
城と結城は相変わらずオーストラリアの真ん中を進んでいた。今は休息をとる為通り掛かった小さな村に入ろうと
していた。
「しかしこんなに大きいのに人はあまりいませんね、オーストラリアって」
二人はバイクを止め村の中に入っていた。城がヘルメットを置きバイクから降りて結城に言った。
「ああ、アメリカとはかなり違うな」
結城もそれに同意した。彼は今までアメリカにいただけありその比較がよくできた。
「同じ英語の国でも事情もかなり違っているしな、どちらかというとこの国はのんびりしている」
「そうですね。ここに来るまでよくのどかに羊と一緒に寝ている人を見ましたよ」
オーストラリアは農業も盛んである。特に牧畜は有名である。羊はオーストラリアの人々にとって切っても切れないものである。
「この村もそうみたいだな。周りに牧場が多い」
「ええ。何か俺達ここ何日か人より羊の方をよく見てますよ」
「そう言うと何だかモンゴルみたいだな」
「ははは、敬介さんと場所が変わったみたいですね」
「おお、そういえばそうだな。けれどモンゴルというにはここは暑過ぎるな」
「荒野も多いですし」
「おいおい、それはもうちょっと先の方だぞ」
二人はそうした話をしながら村の中を進んだ。そして一つの小さなレストランに入った。木で造られた何処か西部劇に出て来るようなレストランである。
「いらっしゃい」
中には白い口髭を生やした体格のいい男がいた。ジーンズにウエスタンハットを身に着けている。
「お、アジアから来たのかい」
彼は二人の顔を見て言った。
「ええ」
二人は頷いた。どうも悪感情はないようでそれは安心した。
「日本人かい、それとも中国人かい?」
「日本人ですけれど」
結城が答えた。それを聞いて男は少し考える顔をした。
「そうか、日本人か」
彼は少し残念そうな顔をした。
「どうかしたんですか?」
城が彼に問うた。
「いや、うちはレストランなんだがな」
「ええ、それはわかります」
変な話をする、結城はそう思った。
「肉料理は羊のものしかないぜ、何しろそれだけには困らないから」
どうやら羊料理のレストランのようだ。
「あ、そうなんですか」
「それでいいかい?羊が駄目ってのなら悪いが他の店をあたってくれ」
「構いませんよ、別に」
城が答えた。
「俺達は羊も大好きですから」
「へえ、そりゃ珍し
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