港町の毒蛇
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立ち上がった。そして左手を右の手刀で断ち切った。するとその左手は蛇となった。
蛇はそのまま這って行った。海に入りそのまま何処かへ去って行く。
「これでシャドウ様にはお伝えできるね」
彼女は蛇が無事海に入ったのを見届けると満足気に言った。
「それじゃあゼクロス」
彼女は最後にゼクロスに顔を向けた。
「あんたはいい男だったよ、シャドウ様の次にね」
それが最後の言葉だった。彼女はそのまま爆発した。
「手強い女だった」
彼はその爆発を見送りながら言った。
シャドウは自身の基地でトランプのカードを切っていた。そこに一匹の蛇がやって来た。
「御前は・・・・・・」
彼はその蛇を見てハッとした。蛇は彼の足下に辿り着くとそこで力尽きた。
「そうか、逝ったか・・・・・・」
彼は泡となり消えていく蛇の亡骸を見下ろしながら苦渋と無念に満ちた声を漏らした。
「ヘビ女・・・・・・」
彼の声は明らかに落胆したものであった。
「俺より先に旅立ったか」
彼とヘビ女の関係は深いものであった。魔の国にいた頃から常に彼を助けてくれたのだ。
「その貴様を死なせてしまうとはな」
それだけに落胆振りは凄いものがあった。
「どうした、えらく落ち込んでいるが」
そこへ誰かがやって来た。
「・・・・・・やはり貴様か」
シャドウは顔を上げて客の顔を見て言った。
「今情報を仕入れたのだが」
「知っている」
「そうか、ヘビ女が死んだぞ、シアトルでな」
「・・・・・・・・・」
シャドウは答えようとはしなかった。
(どうやらかなりの痛手のようだな)
タイタンは彼の顔を覗き見ながら思った。
「相手はゼクロスだ」
「・・・・・・そうか」
それを聞いて怒り狂うかと思った。だが違っていた。当てが外れてタイタンはつまらなく思った。
「飲むか」
彼は懐から一本のワインを取り出した。
「モーゼルだ。ドクトル=ゲーから貰ったものだ」
「ドクトル=ゲーからか」
彼はドイツ出身なのでその地の酒には精通していた。
「そうだ、かなりの上物らしいぞ」
「ではいただこう。貴様も席に着くがいい」
彼はそう言うとタイタンに向かいの席を勧めた。
「うむ」
タイタンは席に着いた。そしてワインを開けると二つのグラスを取り出した。
白い酒がグラスに注ぎ込まれる。二人はそれを手に取ると杯を当てて飲みはじめた。
「美味いな」
シャドウはその酒を一口飲んで言った。
「そうだな、俺はいつもはイタリアのものをよく飲むのだが」
タイタンは口の中でその味を堪能しながら言った。
「ドイツのものもいい。今度はこれも飲むか」
「そうだな、俺もそうするとしよう」
二人は瞬く間にワインを空けた。
「さて、と」
タイタンはシ
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