麗わしの島の戦い
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「期待しておるぞ」
三人は杯を取り出しそれを打ちつけ合った。こうして彼等の作戦は決定された。
マシーン大元帥は自身の基地に戻った。入口で戦闘員が敬礼した。
「何か変わったところはないか」
「暗闇大使が来られています」
その戦闘員は答えた。
「暗闇大使がか。今何処にいる」
「客室に案内致しましたが」
「そうか、会おう」
彼はそれを聞いて基地の中の客室に向かった。
「おお、戻ったか」
彼は椅子に座っていたがそこから立ち上がった。部屋の中はコンクリートの壁と赤い絨毯がある。そして椅子とテーブルが中央になる。見れば簡素な部屋である。
「うむ、よく来てくれた」
彼は暗闇大使に挨拶した。そして彼に再び席に着くように勧め自らも座った。
「ところで何の用だ」
彼は問うた。
「わざわざ本部からこのようなところにまで来てくれるとは」
「うむ、一つ頼みたいことがあってな」
暗闇大使の目が光った。
「頼みたいこと!?」
大元帥もその言葉に眉を動かした。
「そうだ、ゼクロスのことでな」
「今あの男は日本にいるのではなかったのか!?」
「何を言っておる、バダン日本本部は今壊滅状態じゃ。あの男も世界を動き回っておる。我々を捜してな」
「そうであったな。日本支部は全ての改造人間を倒されてしまったしな」
「そうじゃ。これはわしの失態だがな。だが今それをここで言っても何にもならぬ」
「うむ」
姿形は酷似していてもやはり地獄大使とは違っていた。従兄弟は激情家だが彼は常に冷静である。そうしたところが二人の不和を助長しているのかも知れない、とマシーン大元帥は思った。
(だがそれは口に出しては言えぬな)
そのことを口にしたならば暗闇大使も激怒してしまうのだ。彼等はそれ程までにお互いを嫌悪し憎み合っているのだ。
「それで頼みだが」
暗闇大使は再び言葉をかけてきた。
「頼めるだろうか」
「内容によるな」
彼は言った。
「そうか。ではあの男と戦う時になった場合だが」
「それなら構わないぞ」
捕らえろ、というものならば首領から直々のものでない場合以外は断るつもりであった。
「そうか。ならば少しテストして欲しいものがある」
「テスト!?兵器か何かか」
「そうだ。実は今開発中の兵器があってな」
「それは興味深いな」
「それをあの男との戦いに際して使ってもらいたい。頼めるか」
「こちらとしても有り難い話だ。新兵器がどのようなものか興味があるしな」
彼はそれを快諾した。
「そうか、有り難い。では宜しく頼むぞ」
「そしてその兵器は何時こちらに届くのだ?」
「すぐに送る。楽しみにしておいてくれ」
彼は言った。そして基地を後にした。
「兵器か。そういえばあまり使ったことはないな」
デルザー
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