麗わしの島の戦い
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ある。ライダー達にとって彼の存在がどれだけ有り難かったか、それは言うまでもなかった。
彼等が苦しみ、悩んでいる時も常に側にいた。時には厳しく、時には優しく。彼なくしてライダー達は悪の組織を破ることは出来なかったであろう。
「だからおやっさんはむくれる必要はないんですよ」
「そうですよ、ここは勝利を祝って乾杯しましょうよ」
「そう言ってくれるか」
涙は流さない。笑顔で言った。
「ええ、飲みましょうよ今日は!」
「そして次の戦いに英気を養いましょう!」
「よし、わしのおごりだ、今日はじゃんじゃん飲むぞ!」
「はい!」
こうして三人は酒場に向かった。束の間の勝利の喜びを味わう為に。
勝者はそうして勝利の美酒を味わう。だが敗者は苦い憎しみを味わう。マシーン大元帥がそうであった。
「死んでしまったか・・・・・・」
彼は円卓に一人座しそう呟いた。
「かっては常に共にあったというのに・・・・・・」
残る二つの席には誰もいない。杯も空である。
一人杯に酒を入れる。そしてそれを飲む。
「お主達の仇は必ずこのわしがとってやる」
その声は沈んでいたが怒りに満ちていたものであった。
「だから悲しむでないぞ」
そして再び酒を口にした。
「えらく辛気臭いな」
そこに誰かがやって来た。
「お主か。悪いが今は一人にしてくれ」
彼は後ろを振り返らずに言った。
「お主!?誰かと勘違いしているのではないかな」
「!?」
マシーン大元帥はその声に対し後ろを振り向いた。見ればそこには彼がいた。
「いや、違うか」
暗闇大使に瓜二つではあるが違っていた。身体から発せられる気は彼の方が獰猛であった。
(あの男の気はもっと狡猾なものだ。それに対しこの男のは・・・・・・)
心の中でそう思った。
「どうやらあいつを間違えたらしいな」
地獄大使はどうやら怒っているらしい。
「だがいい。今はそれ程気分は悪くない」
そしてマシーン大元帥と向い合った。
「ところで聞きたいことがあるのだが」
「バリ島での戦いならば他の者に聞くがいい」
マシーン大元帥の声は不機嫌そのものであった。
「フフフ、まあそう怒るな」
地獄大使は気の短い自身のことはさておき彼をたしなめた。
「わしが聞きたいのはそれではない」
「では何だ!?」
「ここにあの男がよく来るそうだな」
「あの男!?・・・・・・ああ、奴のことか」
マシーン大元帥は最初は誰のことかよくわからなかったがすぐに誰のことか察した。
「確かにな。しかしそれがお主と一体どういう関係があるというのだ?」
「言わずともわかることだと思うが」
地獄大使の声は少し不機嫌なものになった。
(本当に感情の起伏の激しい奴だ)
マシーン大元帥は心の中で呟いた
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