麗わしの島の戦い
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リムもいるからな。そうした多くの宗教や文化が雑多に暮らしているというのは俺は案外嫌いじゃない」
「城さんに合っていますしね」
「おい、それじゃあ俺がガサツみたいに聞こえるじゃないか」
「あれ、違うんですか?」
「違う、すぐに訂正しろ」
二人はこんな話をしながらバリ島の中を歩いていた。わりかしインドネシアの雰囲気とその風土が気に入っているようである。そこに一人の男がやって来た。
「さて、茂も一也も元気かな」
それは一人の小柄な東洋人であった。彼はサングラスをして空港に降り立った。
城と沖はバロン=ダンスを見ていた。バリ島名物の一つである。
この島特有の伝説にバロンとランダの伝説がある。これはインドにもインドネシアの他の島にもない独特の伝説である。
バロンは善を象徴としランダは悪を象徴する。聖獣バロンと鬼女ランダは互いに永遠に争い善と悪の戦いを続けるのである。だがランダにも良心はあり話は複雑である。しかもランダは死しても甦りバロンも同様である。これはインドの輪廻転生の思想に根拠がある。
「善と悪の対立ですか」
沖はそれを見ながら呟いた。
「俺達に似てると思ってるな」
城はそれを聞いて尋ねた。
「ええ。俺達もこうして悪の組織と何度も戦っていますしね」
「そうだな。思えば俺も多くの組織と戦ってきた」
城の目が感慨に耽ったものになる。ブラックサタン、デルザー、ネオショッカー、ドグマ、ジンドグマ・・・・・・。沖もそれは同じである。彼等はライダーとなってから実に多くの組織と戦ってきた。
一つの組織が崩壊すれば首領はすぐに新たな組織を起こす。幾度彼は死のうとも甦る。そしてライダー達は彼の野心を阻止する為に戦うのだ。
「かってあの奇巌山で葬ってやったがな」
城はデルザーとの最後の戦いを思い出していた。
「だがすぐにネオショッカーを立ち上げた。それが潰れてもドグマ、ジンドグマだ。御前さんはドグマとの戦いがはじめてだったな」
「はい、彼等に国際宇宙開発センターを破壊されたのがはじまりでした」
彼の声は少し沈んだものとなった。
「それから日本に渡りドグマと戦いました。その時に先輩達とお会いしたのでしたね」
「ああ、懐かしいな」
地獄谷五人衆との戦いであった。赤心少林拳も交えた総力戦であった。メガール将軍が手ずから鍛え上げた精鋭達との死闘であった。
「あの時に俺の他にもライダーがいたんだって知りましたよ。俺は一人じゃなんだって」
「皆俺達はネオショッカー首領との戦いで死んだと思っていたけれどな」
城は苦笑して言った。
「あ、そうだったんですか」
「そうだよ。って知らなかったのかよ」
「ええ、初耳です」
「・・・・・・仕方ないな。まあおやっさんだけは信じていたみたいだけれどな」
「立花さん
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