宮殿の人狼
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っと見せてもらうことにしよう。貴様の戦いぶりを」
「うむ。期待しているがいい」
オオカミ長官はそう言うとその場を後にした。見れば部屋にはタイタンだけが残っている。
「さてと」
彼はモニターを複数つけた。
「ここで一部始終をしっかりと見せてもらうか」
無数の目が光る。彼はその目でパリをしかと見ていた。
「猛さん」
その時ルリ子はモンマルトルのカフェで本郷と共にいた。
「さっきインターポールから情報が入ったんだけれど」
「何て!?」
本郷はその言葉にすぐに反応した。コーヒーから口を離す。
「オオカミ長官のことなんだけれど」
「うん」
本郷は思わず身を乗り出した。
「どうやらパリに総攻撃を仕掛けるつもりらしいわ」
「総攻撃か。一体どうやって」
「何でも怪人達を使って。かなりの戦力が動員されるみたいよ」
「そうか。これは厄介なことになったな」
本郷は眉を歪めて言った。
「インターポールからも援軍がやって来ているわ。ヨーロッパ中から腕利きばかり呼んでいるみたいよ」
「そうか、それは一体何時のことなんだい!?」
「そこまではけれど既にかなりの数のバダンの連中が潜り込んでいるらしいわ」
「まずいな。一刻の猶予も許されない」
本郷の顔は完全に悪と戦う戦士のそれとなっていた。
「ルリ子さん、こうしてはいられない、すぐに動こう」
「ええ。けれどどうやって!?」
ルリ子は本郷の何時にない性急な様子に戸惑っていた。
「俺には怪人の居場所が大体わかるんだ」
「あ・・・・・・」
彼女はOシグナルのことを思い出した。
「それだけじゃない。奴等の動きも大体わかる。ここは任せてくれ」
「ええ」
そして本郷の頭脳も思い出した。彼を支えるのは何もその技と力だけではない。かってその天才的な頭脳をショッカーに狙われたことからもわかる通り彼はライダー達の中でも特に頭の回転が速かった。そして勘も長きに渡る悪との戦いで鍛えられていた。
「ルリ子さんはインターポールに協力してくれ。俺は独自にバダンの連中を各個撃破していく」
彼はそう言うと席を立った。
「じゃあ」
そして停めてあるバイクに向かう。
「猛さん」
ルリ子は彼の背中に声をかけた。
「何だい!?」
本郷は振り向いた。
「・・・・・・いえ仮面ライダー」
彼女は言い直した。彼の心は既にライダーとなっていたのだから。
「勝ってね」
「有り難う」
本郷、いや仮面ライダー一号はそう言うとバイクに乗った。そして戦場へ向かった。
「頼んだわよ、ライダー」
彼は疾風となりその場を去った。ルリ子はその後ろ姿を見送っていた。
パリの数多い名物の中にエッフェル塔がある。これは一八八九年に開かれた第四回パリの万国博覧会に際してギュス
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