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仮面ライダーZX 〜十人の光の戦士達〜
宮殿の人狼
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「惜しい男だったがな。自らの力と血脈を過信し過ぎたな」
「そう言っていられる状況なのかな」
 そこに誰かが入って来た。
「やはりここにも来たか」
 タイタンはその男の姿を認めて言った。
「貴様も暇なことだな。あちこちを飛び回って」
「それはお互い様だ」
 ゼネラルシャドウは皮肉に怯むことなくそう言い返した。
「フン、貴様とは目的は違うがな」
「同じだと思うが」
 シャドウはあえて挑発する言葉を出した。
「何っ」
 そしてタイタンはそれに乗ろうとした。しかし。
「・・・・・・フン」
 それに乗るのを止めた。
「今貴様を倒しても何の利益もない」
「そうだな。貴様はこれで全ての手駒を失くしてしまったのだし」
「いずれは切り捨てるつもりだった。その手間が省けただけのことだ」
 彼はそう言うと懐から葉巻を取り出した。そして指で火を点けた。
「惜しくもない」
「そうか。だがあの男に対抗するには苦しいようだな」
「別にな。機が来ればこちらから出向いて倒してやろうと思っている」
「貴様にそれが出来るかな!?」
 シャドウは冷静さを保とうとする彼をさらに挑発した。
「・・・・・・さっきから何が言いたい」
 タイタンの言葉に怒気が含まれた。
「まあそう怒るな」
 彼はそう言うとグラスを取り出した。
「折角だ。一杯やらんか」
「生憎だが俺の飲む酒は決まっていてな。安物は口に合わんのだ」
「残念だな。これは魔界で摂れた銘酒なのだが」
 彼はそう言うとグラスにその紅い酒を注ぎ込み口に含んだ。口が血を飲んだように紅くなる。
「そして何の用でここに来た!?」
 タイタンはシャドウが酒を飲み終えるのを見てから問うた。
「何、一つ情報が入ってな」
「何だ」
「城茂のことだ」
「あの男か」
 タイタンはその無数の眼を光らせた。
「今はインドネシアにいるらしい」
「インドネシア、バリ島にでもいるのか」
「そうだ、そこに二人の同志が向かった」
「二人、か。誰だ」
「磁石団長とヨロイ騎士だ」
「あの二人か」
 タイタンはそれを聞いて暫し考え込んだ。
「大方その後ろにはあの男がいるのだろう」
「ほう、察しがいいな」
「それ位馬鹿でもわかる。だがあの男が自分の仲間を二人共送るとは珍しいな。バリ島に何かあるのか?」
「もう一人ライダーがいる。スーパー1だ」
「成程な。だからこそ二人を送ったのか」
 納得がいった。タイタンは大きく頷いた。
「二人でライダー二人を一気に始末してしまおうということか」
「そのようだな。あの男らしい」
「バリ島での作戦も考えているのだろうな。奴のことだ、ただであの島に行くとは思えん」
 バリ島は観光地として有名である。
「それはこれからのお楽しみだ。どちらにしろ我々が動
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