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仮面ライダーZX 〜十人の光の戦士達〜
宮殿の人狼
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俺の満月プラズマ光線が防げるかっ!」
「それはどうかなっ!」
 一号は叫んだ。光線はその鏡を直撃した。
「ウォッ!」
 凄まじい衝撃がライダーを襲う。だが彼はそれを受け止めた。
「ムンッ!」 
 そしてその鏡にエネルギーを伝える。鏡がさらに光った。
「何とっ!」
 オオカミ長官はそれを見て思わず叫んだ。何と鏡が光を反射したのだ。その衝撃も。
 そしてそれを弾き返した。逆にオオカミ長官の足下を狙って来た。
「クッ!」
 オオカミ長官はそれを跳躍でかわした。そして空中で身構えた。
「来たか、やはりっ!」
 ライダーも跳んでいた。そして空中で拳を繰り出す。
 二つの拳が空中で激突した。夜の闇に包まれた宮殿に鈍い衝撃音が響く。
 両者は交差して着地した。そして互いに振り向く。
「グッ・・・・・・」
 だがオオカミ長官はその時一瞬足が揺らいだ。満月プラズマ光線を全力で放出した疲れが出たのだ。
「今だっ!」
 それを見過ごすライダーではない。素早く上に跳んだ。
「喰らえっ!」
 彼は斜めに跳んでいた。そして部屋の壁を蹴った。
「ライダァーーーーーー」
 彼はそのままオオカミ長官に向けて弾丸の様に跳んで行く。
「稲妻キィーーーーーック!」
 そして蹴りを繰り出した。疾風の様な速さである。
 それはオオカミ長官の腹を直撃した。蹴りを入れたライダーはその反動を利用して後ろに跳んだ。
「グウウ・・・・・・」
 キックを腹にまともに受けた長官は呻き声を出した。そしてガクリ、と片膝を着いた。
「まさかあのような防ぎ方があるとはな」
 オオカミ長官は口から血を出しながら言った。
「鏡が貴様の力を反射させ大きくさせると聞いたからな。咄嗟にそれに思いついたのだ」
「フン、貴様に話してしまった俺の迂闊か」
 彼は一号の頭脳を侮っていたのだ。
「だが月の力を浴びた俺を倒したことは褒めてやろう」
 彼はよろめきながら言った。
「そこまでできたのは貴様がはじめてだ。俺は月の力を浴びれば誰にも負けなかったからな」
「だがそこに慢心が生じたようだな」
「クッ、確かに。だがな」
 彼は言葉を続けた。
「それでも俺を破ったことは事実だ。それは褒めてやろう」
 そしてニヤリ、と獣の笑みを浮かべた。
「偉大なる狼男の血を引くこの俺をな」
 そう言うと立ち上がった。最後の力を振り絞った。
「偉大なる魔界の支配者よ、今こそ貴方のもとへ!」
 そう言うと後ろに倒れた。そしてそのまま爆死した。
「欧州の夜の世界の君主もこれで死んだか」
 一号はその爆発を見届けて言った。彼の死をもってパリでの仮面ライダーとバダンの戦いは幕を降ろした。

「フム、敗れたか」
 タイタンはその戦いの一部始終をモニターを通して見ていた。

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