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仮面ライダーZX 〜十人の光の戦士達〜
宮殿の人狼
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殿にやって来た。
 この宮殿はルイ十四世が建てさせたものであるがあまりの巨大さの為彼の生きているうちには完成しなかった。完成したのは十九世紀ルイ=フィリップのオルレアン朝の時代である。その間にフランス革命が起こりブルボン王家も一旦断絶している。ナポレオンが皇帝になり失脚している。この宮殿はそれを栄華の中に見ていた。
 第一次世界大戦の終了の場もこの宮殿で設けられた。ドイツはこの宮殿において連合国と講和し多くの領土を失い多額の賠償金を支払うこととなった。その時の怨みがナチス=ドイツを誕生させる遠因の一つとなったのだ。
 宮殿の中は豪華絢爛な総飾で飾られている。金や銀で目も眩まんばかりであり幾何学の模様や宗教画と共にこの宮殿を彩っている。
 その中でも最も有名なのが鏡の間である。ルイ十四世の居室であった場所でありここでベルサイユ条約も調印されている。
 庭園に面したこの部屋は一七の鏡と窓がある細長い部屋である。天井画はル=ブランの手によるルイ十四世の生涯を古代風に描いたものである。
 本郷猛はその部屋にいた。そして前に進んで行く。
「よく来てくれた、礼を言うぞ」
 前から声がした。
「ここにいたか」
 本郷はその声を聞き前を見据えて言った。
「フフフ、貴様との闘いに相応しい場所だと思ってな」
 オオカミ長官が姿を現わした。
「この宮殿の中でも最も美しい部屋、貴様の死に場所にはもってこいだろうな」
「それはどうかな」
 本郷はそれに対して言い返した。
「俺は負けるわけにはいかない」
 そして身構えた。
「そうか、ライダーとしての意地か」
「だとしたらどうする」
「来い」
 オオカミ長官は一言で言った。
「そんなものが何の役にも立たんということを俺が教えてやる」
「そうか」
 本郷はオオカミ長官を見据えた。
「ならば行くぞッ!」
 構えを取った。腰からベルトが現われた。

 ライダァーーーーー・・・・・・
 右手を左斜め上からゆっくりと旋回させる。その手刀の手は弧を描いている。
 それと共に身体が黒いバトルボディに包まれていく。胸は緑となり手袋とブーツが銀色になる。
 変身っ!
 右手を拳にし脇に入れる。左手を手刀にし右斜め上に突き出す。
 顔がライトグリーンの仮面に覆われる。右から左へと。目が紅くなった。

 光が彼の全身を包んだ。そして彼は本郷猛から仮面ライダーとなった。
「行くぞっ!」
 ライダーは変身を終えるとすぐにオオカミ長官に立ち向かった。
「フフフ、来たな」
 彼は自らに向かって突き進んで来るライダーを余裕の表情で見ていた。
「喰らえっ!」
 ライダーはチョップを繰り出した。長官はそれを身をのけぞらしてかわした。
「甘いな」
 そして彼は蹴りを出した。
 ライダーも
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