宮殿の人狼
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」
そして彼は指からミサイルを放ってきた。
「ムッ」
ライダーはそれを跳んでかわした。
「そうか、空に留まるつもりか」
彼は怪人を見上げてそう言った。
「ならばこちらにも考えがある」
そして右手を挙げた。
「サイクロンッ!」
シャンゼリゼ通りを銀色のマシンが駆けて来る。ライダーの愛車新サイクロン改だ。
マシンは跳んだ。ライダーはそれに動きを合わせる。
「トォッ!」
そして跳躍した。空中でマシンに飛び乗る。
「サイクロンアターーーーック!」
体当たりを敢行した。それは怪人を直撃した。
ガラオックスは致命傷を受け地に落ちていった。そして空中で爆死した。
ライダーを乗せたマシンはそのまま大空を飛んでいった。そして何処かへ消えていった。
それで終わりであった。バダンのパリ総攻撃はライダーの前に失敗に終わった。
「これで終わりね」
ルリ子はインターポールパリ本部に帰って来た本郷を笑顔で出迎えた。
「いや、まだだ」
しかし本郷の顔は暗かった。
「えっ、もうパリにバダンは残っていないわよ」
彼女はそれを聞いて怪訝そうな顔をした。
「一人残っている、あの男が」
彼は厳しい顔のままそう言った。その時インターポールの事務員が入って来た。
「本郷猛さんですね」
「はい」
本郷は答えた。
「お手紙です」
「俺にですか」
「はい」
手紙を受け取った。そして封を切り中身を読む。
「これは・・・・・・」
それは果たし状であった。差出人はオオカミ長官である。
「どうしたの!?」
ルリ子が尋ねる。
「・・・・・・オオカミ長官が今夜決闘を申し込んできた」
「本当!?」
「ああ。場所はベルサイユ宮殿だ」
「ベルサイユ・・・・・・」
太陽王ルイ十四世が建てさせた巨大な宮殿である。パリの南東にある。
「そこで待っているそうだ。一人で来いと言っている」
「あのオオカミ長官が・・・・・・」
彼が策謀家であることは彼女もよく知っていた。
「猛さん、やっぱりこれは・・・・・・」
「罠なんじゃないか、と言いたいのだろう」
「ええ」
ルリ子はそれを否定しなかった。かってはあのゼネラルシャドウを陥れようと企んだこともある男である。
「心配はいらない。俺は必ず勝つ」
本郷は心配する彼女を勇気付けるようにして言った。
「けれど・・・・・・」
「大丈夫だ、明日の朝ベルサイユに来ればそれがわかるから」
「信じていいのね」
「勿論だ、俺が嘘を言ったことがあるか」
「いえ」
本郷は決して嘘は言わない。そして約束を破ったこともない。
「明日の朝だ、いいね」
「はい」
ルリ子は頷いた。本郷はそれを見て優しい笑みを浮かべた。
その日の夜本郷はベルサイユ宮
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