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仮面ライダーZX 〜十人の光の戦士達〜
宮殿の人狼
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「俺にとっては仮面ライダーはどちらも宿敵だ。両方共倒さねばならない敵だ」
 その目には炎が宿っていた。
「ではな。俺はロンドンでお主の活躍を見守るとしよう」
「うむ、達者でな」
 ゾル大佐はそこで姿を消した。あとにはゼネラルモンスターだけが残った。
「あの者は既に行っているか」
 ふともう一人の男のことを考えた。
「フランスでの戦いだというが。さてどのようなことをしてくれるか」
 彼はそう言うとゴラン高原から姿を消した。そして自らの基地へ戻っていった。

 フランス、欧州の指導的な役割をドイツやイギリスと共に長い間果たしてきた国である。欧州屈指の農業国でありその産業は多くの分野で世界に知られている。
 特に文化は彼等の自慢するところである。バロックやロココといった貴族文化だけでなく文学や哲学等でも欧州の文化の中心となってきた。
 芸術でもそうである。絵画や彫刻等その粋がルーブル美術館に収められている。ヒトラーがここに来れたことは一生で最も嬉しいことだと言ったこの美術館は全てを見回るだけで四日かかると言われている。
「けれどそれだけじゃないのよね、フランスの誇る文化は」
 ルリ子はパリオペラ座から出てきて言った。
「オペラとか音楽でも有名なのよ」
 彼女は文学部出身でありこうしたことには詳しい。とりわけ音楽には造詣が深い。
「しかし」
 隣にいる本郷猛は少し首を捻った。
「フランスのオペラはイタリアやドイツのもの程あまり知られてはいないと思うのだけれど」
「そういえばそうね」
 ルリ子は本郷の言葉に相槌を打った。
「ビゼーとかオッフェンバック位かしら」
「だろう、カルメンはどの国でも上演されるけれど」
 カルメンはビゼーの代表作である。メリメの小説を題材にしたこの作品は初演の時こそ不評であったが今では最も名の知られているオペラの一つである。
「長い間フランスは見る方だったしね。何処かで作るものじゃないって意識があるのかしら」
「俺はマイアベーアが好きだけれどあれは何かと言われてるしな」
「グランドオペラは最近見直されてきているわよ」
「ううむ・・・・・・」
 二人はそんな話をしながらオペラ座を後にした。彼等は今パリにいる。ここにバダンの影があるとインターポールからの情報が入ったのだ。
 この街は多くの人々がいる。住んでいる市民達だけでなく観光客や留学生。フランス政府もここにいある。他には欧州にその名を知られたロスチャイルド家のパリ分家もいる。あらゆる分野で欧州の中心の一つなのだ。
 この地で若し何かあれば・・・・・・。欧州は忽ち大混乱に陥るだろう。だからこそ本郷とルリ子はここに来たのだ。
「そういえば猛さんパリには何度も来ているのよね」
「ショッカーとの戦いの時からね」
 彼は欧州で死神博士
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