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仮面ライダーZX 〜十人の光の戦士達〜
古都の鬼神
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 東南アジアにおいて古い歴史を誇るタイ王国は山田長政の話でもわかるとおり我が国との交流が古い。二次大戦の時にも日本に対しては好意的と言ってもよかった。日本人も彼等の主権を尊重した。その精強さで知られた日本軍も非戦闘員、とりわけ子供達に対しては温厚であった。ただし軍事訓練は恐ろしい程厳格であり押し付けがましく融通が利かないとよく言われた。当時の帝国軍人の悪い癖であった。 
 だが彼等は真面目であった。タイ人達もそれはわかっていた。そして二次大戦が終わった後東南アジアに進出してきた日本の企業もタイに好んでやって来た。タイ人もそれを歓迎してくれた。そしてそれがタイの経済発展へと繋がっていくのである。
 よく『日本の経済侵略』といった全くの的外れな批判が日本の知識人と自称する輩から聞こえてきた。だがこれは完全に筋違いであった。この連中は経済のいろはさえ何一つ理解していなかったのだ。経済はマルクス主義を金科玉条に念仏の様に唱えるだけでは動かない。こうした連中はその程度のことすら理解出来ない知識人であったのだ。今ではそこいらの女子高生ですらわかることだ。だがそれすらも理解出来ないのである。それが戦後の我が国の経済学の実態であった。まことに笑うべきことである。
 こうした輩の正体はどうかというと何のことはない。革命を主張しとある凶悪かつ陰険、悪辣な国家と結託していた。こうした連中こそ悪であると言ってよい。とある料理漫画の原作者なぞは自分は決して謝罪などしないが他人には厳しく言う。その卑しい性根をこそ謝罪すべきではないのではなかろうか。
 テレビのキャスターと称する輩もである。所詮他人の謝罪や責任を強制する人間は自分は決して責任をとったり謝罪なぞしない。そうして世の中に害毒を撒き散らしていく。世の中の悪はバダンだけではない。こうした連中もそうだと言ってよいであろう。
「日本では何かバダンと結託していた市民団体が見つかったそうですね」
「ええ、それは村雨君が壊滅させましたよ」
 タイの首都バンコクを流れるメナム川の船の上で沖一也と滝竜介は話していた。
「バダンはとある過激派を名乗っていて市民団体はそれに気付いていなかったそうですが」
「ちょっと待って下さいよ、市民団体が過激派と結託しようとしていたんですか!?」
 沖は竜の言葉に眉を顰めた。
「そうか、沖さんは日本を離れていたからご存知ないのですね」
 竜はそれに対し表情を暗くさせた。
「日本ではよくあることなんです。市民団体を主導する者や後援者が過激派であるということが」
「とんでもない話ですね」
「ええ。しかしこれは残念なことに本当の話です」
 竜の表情は暗いままである。
「口では平和を唱えながらもその裏では全く別の事を画策する。そうした団体にはチェックが行き届きにくいのが現状です」

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