古都の鬼神
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いた。
「最近のあそこで変な噂をよく聞くね」
「ああ、何でも黒い影が夜になるとウロウロしているとか」
「黒い影・・・・・・」
その言葉に沖と竜は顔を見合わせた。
「ではそちらに行くか」
「それでは。料理は美味かったぞ」
「ありがとよ。何かあったらまた来てくれよ」
こうして彼等は屋台を後にして彼等が言ったその場所に向かった。
先程も書いたがバンコクは清濁併せ呑む街である。あまり治安の良くない場所もある。二人はそこへ足を踏み入れた。
そこには怪しげな店が多くあった。ポン引きや薬の密売人が昼からもう道でたむろしている。
「お兄さん、可愛い女の子いるよ」
「コカインどう、コカイン」
彼等はそう言って二人に声をかける。彼等はそれを適当にあしらいつつその中を進んでいく。
「何かこうした場所は大きな街だと何処にでもありますね」
「人間というのはそうしたものですから」
竜は答えた。彼の方がやはり世の中をよく知っているようだ。
「さて、と」
竜は立ち止まって辺りを見回した。
「とりあえずは姿を隠しましょう」
二人は店で服を買った。そしてそれに着替え現地人の中に紛れ込んだ。そして夜を待った。
夜になっても人は減らない。それどころか益々増え、怪しげな人物のその数を増やしていた。
「それでも連中の姿は見えませんね」
現地人の中に紛れた沖は隣にいる竜に対して声をかけた。
「いや、そうでもないか」
沖はあることに気付いた。
「見ればチラホラいるな」
彼は屋台や建物の上を見た。すると黒い影が時折見える。
二人は道から姿を消した。
戦闘員達は建物の上を走り回っていた。そして何かを探っている。
「いないな」
「ああ、何処にもいない」
彼等は誰かを探しているようである。
「ここに来たと言われたんだがな」
「偽情報だったか」
どうやら誰かの指示でここで探っているらしい。
「仕方ない、基地に戻るか」
「ああ、そうしよう」
そこに何かが飛んできた。
「ムッ!?」
それは一本のナイフであった。
「残念だったな、基地に戻る必要はない」
戦闘員達はナイフが飛んで来た方に顔を向けた。そこには竜がいた。
「貴様等が探していたのは私達だろう?」
「クッ、滝竜介か」
戦闘員達は彼の姿を月夜の下に認めた。
「そうだ、探しているのでこちらから出向いた。覚悟するがいい」
「望むところだ、今ここで貴様だけでも倒してやる」
「そして魔神提督様への手土産にしてやる!」
戦闘員達はそう言って竜に向かって行った。竜はそれに対してナイフと格闘術で対抗する。彼は流石に強く戦闘員を寄せ付けない。
「クッ、こうなったら」
数人が倒されたところで戦闘員達は間合いを離した。
「怪人を呼ぶんだ
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