暁 〜小説投稿サイト〜
仮面ライダーZX 〜十人の光の戦士達〜
古都の鬼神
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って来た癖に」
 沖はその言葉に顔を顰めた。どうやら彼等は何処かの国の人間と勘違いしたらしい。
 彼等はどうやらこのバンコクで屋台をやっているらしい。つでに副業であまり好ましくない仕事もしているという。
「まあそれは聞かないでくれよ」
 彼等が開く屋台でタイ料理を食べながら話をしている。中々美味い。
「この料理だけで充分だと思うけれどな」
 沖はタイ風チャーハンを食べながら言った。
「まあ見たところ良からぬ仕事といってもそんなに顔を顰めるようなものでもないようだな」
 竜は彼等の顔を見て言った。どうせモグリの食品販売とかだろう、彼等のさほど悪くはない人相を見ながらそう思った。
「金が欲しくてね。今はこの屋台だけれどいずれもっと大きくするのが夢なんだ」
 彼は白い歯を見せて笑った。笑顔もいい。
「だったら地道に働けばいいんじゃないか」
 沖はチャーハンを食べ終えて彼に対し言った。
「そうだな。この味があれば問題ないと思うが」
 竜も同じ意見である。
「すぐに大きくしたいんだよ。一攫千金」
「そういう考えだから変な仕事もするんだろ」
「いいんだよ、別に人を殺したり迷惑をかけているわけじゃないんだし」
「だからといって裏の仕事を持つのはどうかと思うぜ」
 沖の性格からしてこういったことは認められないのだ。
「マイペンライ、警官も黙認しているから」
「そういう問題じゃなくてな」
 おおらかな国である。裏といっても警官が文句を言わなければそれでいいのである。
「俺達の夢はこの屋台をでっかいレストランにするのが夢なんだ。その夢の為にこうして頑張っているんだよ」
「せめて変な仕事を止めてから言ってくれ」
 やはり沖はこうしたことが許せないようだ。
「沖さん、まあいいじゃありませんか」
 竜は融通の利かない彼を窘めて言った。まだ彼の方が世の中を知っている。
「じゃあその裏の仕事で聞きたいことがあるんだけれど」
「おっと、そうそう口は割らねえよ」
「そうだそうだ、さっきあんた達にはのされてるしな」
「それはあんた達が悪いんだろうに」
 沖は仕様が無いな、といった顔で彼等を見て言った。
「じゃあこうしよう。ここにあるメニュー全部頼もう。そして今この辺りにいる人達全員におごろう」
「えっ、いいのかい!?」
 屋台の店員達だけではなかった。その場を通り掛かっていたバンコクの老若男女が竜の側に集まってきた。
「ああ、それなら文句はないだろう」
「あんた話がわかるねえ。日本人っていうのは親切だけれどどうもせこいところがあるもんだけれどね」
「せこいのは余計だろ。否定はしないけれど」
 沖の声は渋いままである。だが竜の言葉が決め手となった。沖もこの屋台の料理を堪能し運の良いバンコクの人達にも御馳走した後情報を聞
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