古都の鬼神
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ンスターは彼の下にいたことがある。そして彼の思想に影響を受けてもいた。
「ハウスホーファー閣下か。懐かしいな」
彼はナチス時代を思い出しながら言った。
「だが今の私にそんなものは関係ない。関係があるのは貴様のあの時の行いだけだ」
彼はその右目で魔神提督を睨み付けた。
「フン、生き返ってもそのことは忘れんか」
「そうだ、私が生き返るのはこれで三度目だがな」
彼はネオショッカー時代二度甦っている。スカイライダー、そして他の七人のライダーとの戦いにおいてだ。だがいずれもライダー達の前に敗れている。
「それは貴様とて同じだろう」
魔神提督は心臓が残っている限り幾度でも甦るのだ。
「確かにな」
彼はその言葉に対して不敵に笑った。
「一度貴様とは決着をつけたいと考えている」
ゼネラルモンスターは右手に持つ杖を向けて言った。
「それはわしとて同じこと。わしも一度貴様に殺されているしな」
この二人の因縁は相当深いものであるらしい。魔神提督も剣に手をかけた。
「だがそれは全てライダー達を倒してからのことだ」
魔神提督の言葉にゼネラルモンスターも杖を収めた。
「確かにな。あの者達を倒すことが先決だ。特にあの男は」
そこでスカイライダーの姿が脳裏に浮かんだ。
「ここは矛を収めよう。だが忘れるなよ」
ゼネラルモンスターは左手の鉤爪を鳴らしながら言った。
「貴様とは必ず決着を着けるということを」
「望むところだ」
ゼネラルモンスターは姿を消した。魔神提督はそれを嫌悪に満ちた眼差しで見送っていた。
沖と竜はバダンの捜索を行なっていた。バンコク市内をくまなく探し回る。しかしやはり容易には見つからない。
このバンコクはタイ王国の首都であり政治、経済の中心地である。何百万もの人口を擁する東南アジアでも有数の大都市である。その街においては多くの人々が雑居している。
その中には良からぬ者も多い。そうした輩が自らの領域に誰かが入るのを好まないのはどの国でも同じである。彼等が沖と竜に対し牙を剥くのは当然の成り行きであった。だが所詮彼等は普通の人間である。特別な訓練を受けた竜や改造人間である沖に適う筈もなかった。
「つ、強え・・・・・・」
彼等は道に伏していた。沖と竜はそんな彼等を見下ろしている。
「どうやらただのチンピラみたいですね」
沖は彼等を見て言った。
「はい、手加減して正解でしたね」
竜もそれに同意した。
「痛てて、それにしてもあんた達強いなあ」
「全くだよ。一体何処から来たんだよ」
彼等は起き上がりながら二人に尋ねてきた。
「?日本だが」
竜が答えた。
「日本人!?じゃあ早く言ってくれよ」
「そうだよ、俺達は別に日本人に恨みがあるわけじゃないし」
「そっちからつっかか
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