古都の鬼神
[3/19]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
しなくてはな」
「所詮は消耗品だというのにか」
そこで誰かが部屋に入って来た。
「貴様か」
魔神提督はその者も姿を認めて椅子に座ったまま彼を見上げた。
「そうだ。こちらの様子が気になり来てみたが」
それはゼネラルモンスターであった。彼等は共にネオショッカーの大幹部であった。
「進んでいるようだな」
「当たり前だ、わしを誰だと思っている」
魔神提督は彼の言葉に対し顔を顰めた。
「ふむ、自信はあるようだな」
ゼネラルモンスターはそんな彼を一瞥して言った。
「伊達にネオショッカーで大幹部をしていたわけではないぞ」
「それは私も同じだ」
ゼネラルモンスターは言い返した。
「もっともスカイライダーの始末は貴様に邪魔されたがな」
彼はスカイライダーとの最後の戦いにおいて彼を道連れに自爆しようとしたのだ。だがそこで魔神提督は彼に雷を放ち彼を殺している。
「あの時の借り、何時返してもいいのだぞ」
「あれは介錯をしてやったのだ」
魔神提督は悪びれることなく言った。
「介錯だと」
「そうだ、貴様もハウスホーファー閣下の下にいたことがあるのなら知っていよう」
ハウスホーファーとは第二次大戦時にヒトラーのブレーンの一人である。ミュンヘンに生まれ地理学者、及び軍人としてその名を知られた。地政学を唱えたことでも知られている。
彼の特徴の一つとしてオカルトに深く傾倒していたことである。彼は当時かなりの親日家として知られ日本を訪れたこともある。高野山に登ったこともありそこで我が国の神秘主義にも深い関心を示していたようだ。
それがどうやらヒトラーとの結び付きになったようである。ヒトラーはオカルトにも造詣が深かった。どの様な難解な書でも読破し一度聞いたことは決して忘れず、そして多くの言語を操るというやはり知性においては傑出していた彼の私生活は極めて質素なものであった。
まず極端な菜食主義であった。肉も魚も食べずラードも使わなかった。酒も飲まない。とりわけ煙草は嫌った。総統官邸においては誰も煙草を吸うことが出来なかった。
そして女性関係もなかった。エバ=ブラウンのことは側近の将軍ですら知らなかった。ごく一部の者だけが知ることであった。蓄財にも一切関心がなかった。服装も何もかも極めて質素であった。夜明けまで仕事をし明け方には起きる。そうした生活であった。
まるで修道僧の様な生活である。彼はその卓越した演説と人をひきつけるカリスマ性で知られていたがそれにはどうやらこうした生活と無縁ではないようだ。彼は生活にあるものを科していたようだ。
それは宗教性であろうか。ナチスは国家社会主義である。ソ連と同じ全体主義国家でありその体制は自らこそ唯一にして絶対なものとする。宗教も敵の一つである。
では何を信仰するのか。ナチス
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ