樹林の獣人
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養をとった。そして夜になるとアマゾンの言葉に従い街に出た。
夜の街には誰もいなかった。深夜であり吸血蝙蝠等物騒な生き物が出て来る為である。
「誰もいないな」
二人はその静かな夜の街を進んでいた。モグラ獣人がふと言った。
「すぐ来る。心配いらない」
アマゾンは彼に言った。そして夜の街を慎重に進んでいった。
この時百目タイタンは自分の基地に戻っていた。
「さて、あの男がアマゾンライダーを上手くやればいいが」
彼は洞窟をくりぬいて作った地下の基地にいた。壁は硬い岩石である。そしてそこにある自室で彼は席に座し葉巻を口にしながら言った。
「あとはあいつ次第だな。ここは任せておくか」
そこに戦闘員が一人入って来た。
「どうした」
タイタンはその戦闘員に対し問うた。
「お客人です」
その戦闘員は答えた。
「客!?一体誰だ」
「ゾル大佐です」
「何っ、ゾル大佐がか!?」
彼はそれを聞き思わず声をあげた。彼はゾル大佐とは特に何の関係もないからだ。
「如何されますか。今すぐお会いしたいと申し出ておられますが」
「わかった、すぐ行く」
彼はそう言うとすぐに席を立った。そしてゾル大佐がいる場所に向かった。
「久し振りだな、百目タイタンよ」
ゾル大佐は彼の姿を認めると声を掛けてきた。その声も顔も普段と何ら変わらない。
だが何処か違う。何かを探っているようだ。
「一体どうしたのだ、こんなところにわざわざ来るとは」
彼は今中近東にいる筈である。それなのに自分の基地に来るとは思いもよらぬことであった。
「うむ、実は貴様に聞きたいことがあってな」
「聞きたいこと!?」
タイタンはそれを聞いて思わず声をあげた。
「そうだ。岩石男爵のことだが」
彼が岩石男爵と結託していることはバダンにいる者なら誰でも知っていることであった。
「あの男がどうかしたか」
彼は今中近東にいる。ゾル大佐と共に中近東での作戦行動にあたっている。
(また何かやらかしたのか)
彼は心の中でそう思った。だがそれは仮面の下に隠しゾル大佐に顔を向けた。
「ここにはいないようだな」
大佐は周囲の気配を探りながら言った。
「当然だ、あの男は今中近東にいるではないか。貴公と共にな」
「・・・・・・どうやらお主は何も知らぬようだな」
大佐はその左眼で彼を見据えて言った。まるで鉄を射抜くような目である。
「知らぬ!?俺がか!?」
「そうだ。実はあの男の姿が見えないのだ」
「潜伏しているのではないか?作戦に備えて」
だがタイタンはそう言いながらそんな筈はない、と考えていた。そんな器用なことが出来る男ではない。
「違う。中近東から姿を消したのだ。忽然とな」
「何っ!?」
タイタンはそれを聞いて思わず声をあげ
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