樹林の獣人
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がら頷いて答えた。
「何度か会ったことがある。確かに物凄く大きかった」
「本当にいるのかよ」
モグラ獣人はそれを聞いて思わず身震いした。
「だが安心していい。アナコンダは大人しい。少なくともこの川にいるのは餌もたっぷりあるから飢えていない」
「そうなんだ。俺らはてっきり貪欲に何でも貪るのかと思ってたよ」
「それはモグラが考え過ぎ。アナコンダはアマゾンの友達。だからアマゾンアナコンダ怖くない」
「アナコンダとも友達なのかよ」
モグラ獣人はそれを聞いて思わず呟いた。
「アマゾンの生き物は皆アマゾンの友達。アマゾン友達は大事にする」
彼はこの密林に育てられた。だから彼はここに住む全てのものを深く愛しているのだ。
「けれどあいつ等は別」
アマゾンはそこで険しい顔をして言った。
「バダンは何でも貪り食う。そして罪の無い人まで殺す。そんな奴等は絶対に許さない」
彼はゲドンに師であり親代わりであったバゴーを殺されたことをまだ覚えていた。
「アマゾンバダンの奴等倒す。この川を絶対に奴等には渡さない」
彼は強い表情でそう言った。そして川を進んでいった。
夕方になった。二人は川辺にある小さな村に入った。そしてそこの近くで野宿した。
「ここにいたか」
アマゾンはモグラ獣人の掘った穴の中に入っていた。雨露を凌ぐ為だ。そしてその入口に何者かがやって来た。
「どうやら完全に眠っているようだな」
ゴッド悪人軍団の一人カメレオンファントマである。怪人は穴の中を慎重に窺いながら言った。
「これは好都合だ。早速中に入り始末するぞ」
そして引き連れている戦闘員達と共に中に入って行く。
中は真っ暗闇であった。だが彼等はそれに構わず進んで行く。
「広いな」
中は思ったより広い空間であった。人が立って歩ける程である。
「流石はモグラ獣人か。こうした穴を掘ることにかけては他の者の追随を許さないな」
「穴を掘るのだけが俺らの特技じゃないぞ」
不意に下から声がした。
「何っ!?」
土の下から何者かが襲い掛かって来た。
「ケケーーーーーーッ!」
それはアマゾンとモグラ獣人であった。彼等は土の中に潜み彼等が来るのを待っていたのだ。
戦闘員達はアマゾンとモグラ獣人により瞬く間に倒されていく。残るはカメレオンファントマ一人となった。
「おのれっ!」
怪人は舌を伸ばしてきた。だがそれはアマゾンの鰭により断ち切られてしまった。
「くっ!」
怪人は今度は姿を消した。アマゾンは闇の中で怪人を探した。
「どこだっ!?」
闇の中に紅い両眼が輝く。彼はその後ろに何かを察した。
「そこだっ!」
アマゾンは後ろに向けて蹴りを放った。
それは姿を消していた怪人の身体をかすった。だがそれだけで怪人の右脇から血が
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