失われた地の翼人
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アマゾンと別れた筑波洋は予定通りギアナ高地にやって来た。ツバサ大僧正がここにいると聞いたからである。
「今度は一人か」
彼は高原に足を踏み入れて呟いた。
ここギアナ高地は秘境と呼ばれる。テプイと呼ばれる多くのテーブルマウンテンがありそこに生息する生物は独自の進化を遂げている。密林に覆われたこの地はかってコナン=ドイルが『ロスト=ワールド』で小説にしている。流石に恐竜まではいないがここは不思議な生物が見られるということでも知られている。
「まさかそればバダンだったとはな」
筑波はエンジェルの滝を見上げた。この滝は標高一千メートルに近いところから垂直に落ちる滝でありあのナイアガラすらも凌駕している。
「あらためてこの目で見ると余計凄いな」
彼は感嘆の言葉を漏らした。そして目を輝かせた。
「この戦いが終わったら一度飛びながら見てみるか。これは綺麗だ」
「ほんまでんなあ。こういう時は洋さんが本当に羨ましいですわ」
「ん!?この声は」
筑波は声がした方に顔を向けた。
「やっぱりな。がんがんじい、どうしてここにいるんだよ」
「どうしてと言われましても」
がんがんじいは筑波の言葉に愛想笑いで返した。
「役さんにこっちに向かってくれって言われまして。わいはそれに従っただけですわ」
「役さんに!?」
「はい。ここに洋さんが来るって言われまして。まさかこんなに簡単にお会いできるとは思いませんでしたけど」
「ふうん、役さんからか」
筑波はふとどうしてわかったんだろう、と思ったがそれは口には出さなかった。
「だけどいいや。正直一人でいるより二人のほうがいい。がんがんじい、よろしく頼むぜ」
「はいな」
こうして二人はこの地の何処かに潜むバダンに対して挑むことを誓ったのである。
この時ツバサ大僧正は高地に新たに築いた基地にいた。
「ふむ、遂に来たか」
彼は指令室で部下の戦闘員から報告を受けていた。
「ハッ、がんがんじいも一緒です」
「またか」
彼はそれを聞いて思わず呟くように言った。
「あの二人はよく一緒にいるな。ネオショッカーと戦っていた頃からのようだが」
「その通りです。魔神提督も手を焼かれたようで」
「まああの男なら手を焼くだろうな」
彼は頷いてそう言った。
「おい、ツバサ大僧正よ、いくら何でもそれはないぞ」
その時指令室のモニターに魔神提督が姿を現わした。
「おお、一体何の用だ」
「何の用もあるか。お主はわしに協力を要請したのではなかったのか」
彼はツバサ大僧正の意を得ぬ言葉に少し苛立ちを感じた。
「協力!?ああ、あれか」
彼はふとこの基地に来る前にギアナ高地に戦力の補充を要請したことを思い出した。
「だかあrといってお主が来るとは思わなかったがな」
「何を言っ
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