失われた地の翼人
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フライングソーーーサァーーーーーッ!」
そして蹴りを放つ。それは怪人の胸に襲い掛かった。
蹴りが怪人の胸を直撃した。そして大きく吹き飛ばした。
「ガハアッ!」
怪人は地に叩き付けられた。そしてツバサ大僧正の姿に戻っていく。
「見事だスカイライダーよ、わしの技を破るとは」
彼は立ち上がりながら言った。
「そちらこそな。こっちもスカイターボがなければどうなっていたかわからん」
スカイライダーは怪人を見据えて言った。
「それにあの高速回転には悩まされた。やはりツバサ一族の長だけはある」
「フフフフフ、褒め言葉か」
彼はそれを聞いて笑った。
「敵に賛辞を受けるのがこれ程嬉しいとはな」
「賛辞ではない。本当のことだ」
「そうか、どうやらわしの長い戦いもこれで終わりだな」
彼はガクリ、と片膝をついた。
「ツバサ一族はわしの死によって幕を降ろす。その幕引きに一人の素晴らしい敵と出会えたことは誇りに思おう」
「ツバサ大僧正・・・・・・」
「ツバサ一族の火よ消えよ。バダンバンザァーーーーーイッ!」
彼はそう言うと前に倒れた。そして爆発の中に消えていった。
「これでまた一人バダンの大幹部が倒れたな」
「ええ。せやけど敵ながら天晴れな奴でしたわ」
スカイライダーとがんがんじいはそれを見守りながら言った。
こうしてギアナ高地での戦いは終わった。二人は誰もいなくなった基地を破壊しその場を後にした。
「ここを降りるのは怖いでんなあ」
がんがんじいはロープを伝いながら震える声で言った。
「仕方ないな、重力低減装置が壊れてしまったんだし」
筑波はそんな彼に対し苦笑して言った。
「そやけどこんな高い場所をロープ一本で降りるっちゅうんは」
「まあそう言わないでくれよ。ほら、神様は勝利のご褒美に凄いものを見せてくれてるし」
「ご褒美!?」
「見ろよ」
筑波が指差した方に一つの巨大な滝があった。エンジェル滝である。
この滝は一千メートル近い場所を直角に落ちる滝である。その景色はこの秘境においてもとりわけ不思議なものである。
「・・・・・・凄いでんなあ」
がんがんじいはそれを見て思わず感嘆の言葉を漏らした。
「だろう、これも勝ったから見れるものだ」
筑波はがんがんじいの方を見下ろして言った。
「こんな素晴らしい場所がこの世界にはまだまだ沢山あるんだ。それを守らないとな」
「そうでんな」
彼は声の震えを収めた。そして二人は降り終えギアナを後にした。
「これでツバサ大僧正も死んだ」
死神博士は暗闇の中で水晶玉を覗き込んで言った。
「ライダー達め、やはり腕を上げているな」
彼はその沈んだ声で呟く様に言葉を発する。
「我々も油断するわけにはいかない。これ以上の敗北は許されないだ
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