失われた地の翼人
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「おいおい、褒めたって何も出ないよ」
史郎はそんな彼女に苦笑しながら言った。
「うふふ」
ルミはそんな彼に再び笑みを返した。ユミも二人の会話に笑顔を取り戻していた。
筑波とがんがんじいはテーブルマウンテンの一つに登っていた。
「ふう、やっと着いたな」
筑波はスカイライダーに変身しがんがんじいを持って上に飛んでいったのである。
「洋さん、すんまへん」
がんがんじいは筑波が変身したスカイライダーに対し礼を述べた。
「いいよ、どうせライダーになったらこんなのどうってことないし」
ライダーに変身すると力が驚異的に上がるのである。普通の時でも彼等は常人とはかけ離れた力を持っている。だがこれは彼等にとっては喜ばしいものではない時もある。
そのあまりにも強過ぎる力は触れたものを壊してしまうのである。意識せずともドアを壊し握り締めた鉄を粉々に砕いてしまう。そして愛する者を抱き締めることができなのである。彼等の力は苦悩と表裏一体でもあるのだ。
「それよりも」
スカイライダーはがんがんじが立ち上がったのを見て言った。
「噂に聞いていたけれど凄い場所だな」
山の上にもジャングルが生い茂っていた。そして滝が数段に渡って流れている。森の緑と滝の青に覆われた世界であった。
「はい、こうして見るとまるで絵みたいなところですなあ」
がんがんじいはその美しく幻想的な景色に見惚れていた。
「確かにな。こんな綺麗な景色は今まで見たことがない」
スカイライダーも彼の言葉に同意した。
「ただこれが戦いに来たんじゃなければもっといいんだがな」
彼は言葉を濁した。丁度その時額のオーシグナルが点滅した。
「そら、早速来たぞ」
「無粋な奴等でんなあ、いつもいつも」
「だから世界を征服しようといつも企んでいるのさ」
二人は構えをとった。やがてすぐに怪人と戦闘員達が出てきた。
「来たな」
怪人は四体いた。デストロンの変身怪人カメラモスキート、ゴッド悪人軍団の一人カブトムシルパン、ネオショッカーの毒ガス怪人コウモリジン、そしてショッカーの電撃怪人エイキングである。
「四体か、また随分多いな」
スカイライダーは迫り来る怪人達を見ながら言った。
「だが負けるわけにはいかない。来い!」
そして前へ突き進んだ。
まずは戦闘員達が来た。ボウガンを放ってくる。
「こんなものっ!」
スカイライダーは手でその弓を叩き落とした。そして戦闘員達の懐に飛び込み当て身を喰らわせる。
「ギィッ!」
戦闘員は叫び声をあげて吹き飛ぶ。ライダーは動きを止めずそのまま前へ出る。
まずはカメラモスキートがやって来た。
「ブルルルルルルルルルッ!」
怪人は奇声を発し迫り来る。左眼となっているカメラでスカイライダーを写し取ろうとす
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