失われた地の翼人
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ておる。ここはわしの本拠地だぞ」
彼はブラジル出身である。そしてネオショッカー中南米支部長を務めていたのである。
「このわしが来ずして一体誰が来るというのだ」
「そうかそうか、では早くここに来るがいい」
ツバサ大僧正はしれっとした態度で彼に対して来るように言った。
そして魔神提督は指令室に入ってきた。まだ憮然としている。
「まあ機嫌をなおしてこれでも飲め」
ツバサ大僧正はそう言うと一杯の赤い飲み物を差し出した。
「ワインか」
「そうじゃ。お主も嫌いではあるまい」
「まあな」
彼はそれを受け取った。そして一口口に含んだ。
「人の血を入れておるな」
「うむ。こうすれば味が良くなるのでな」
「成程な、考えたものだ」
彼は人の血は飲まずとも生きていける。だが嫌いではない。
「美味いな」
「そうじゃろう。おかわりはいおるか」
「いや、いい。今は酔いたくはないのでな」
彼はもう一杯勧めようとするのを断った。
「さて、と。では本題に家鴨としよう」
「うむ」
ツバサ大僧正も杯を空けた。そして話をはじめた。
「ここでの作戦だが」
魔神提督の顔は真剣なものになっていた。
「ここにUFOを離着陸させる基地を建設すると聞いているが」
「その通りだ」
ツバサ大僧正は答えた。
「ここはUFOの基地を作るには最適だからな」
「確かにな。高地だし人も殆ど来ん、しかしな」
「スカイライダーがやって来ているな」
「そうだ、まずはあの男を始末しなくてはならん」
魔神提督はそう言うとモニターのスイッチを入れた。
「もう知っているとは思うがな」
そこにはスカイライダーの姿が映し出された。
「奴の戦闘だ」
見ればネオショッカーと戦う彼の姿が映されている。
「どうじゃ、かなりのものだろう」
魔神提督はモニターを見ながらツバサ大僧正に声をかけた。
「うむ。この頃からかなりの強さだったのだな」
「今はこれ以上だ。もっともそれは知っているのだろう」
「当然じゃ。ナスカで戦っておるしな」
「そうだな。では策も考えているな」
「当然だ、だからこそこの地に来たのだ」
彼は自信に満ちた声で言った。
「そうか、既に考えてあるか」
「その通り。お主はここで見ているだけでもいいぞ」
「そういうわけにはいかんがな」
魔神提督は苦笑した。
「それではわしはサポートに回ることにしよう、期待しておるぞ」
二人は闇の中での密談を続けていた。
「洋さん元気にしているかしら」
アミーゴのカウンターに座る一人の少女がふと呟いた。
「えっと、君誰だったっけ?」
史郎は彼女の顔を覗きながら尋ねた。
「史郎さん、さっき聞いたじゃない」
隣にいるルミが顔を顰めて彼に言った。
「御免、俺あんま
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