第十四話 伊勢巡りその十一
[2/2]
[8]前話 [9]前 最初 [2]次話
だ、俺達ときたらだ」
月光とヤイバも言う。
「やり繰りが大変じゃった」
「しかし御前等は違ったのか」
「というか御前等どういう財政状況だったんだ?」
「俺達も人のことは言えないけれどな」
クエスター達が少し呆れた調子で彼等に顔を向けて問うた。
「零細企業同士だけれどな」
「御前等は特にやばそうだな」
「だから私がアイドルやってるのよ」
今わかった衝撃の真実だった。
「お金がないからね」
「そんな組織だったのか」
「ある意味凄いな」
クエスター達も驚くことだった。
「まあそれでもこうして楽しんでいるのだな」
「それならいいか」
「そうかもね。苦しいとは思ったことないし」
実際にシズカはそうは思っていなかった。
「ただね。この戦いこれからどうなるのかしら」
「そんなことはどうでもいいのでは?」
今言ったのはヒラメキメデスである。
「今考えてもどうにもなるものではありません」
「物凄く無茶なこと言ってない?」
「そうよね、あんたそれでも軍師なの?」
フラビージョとウェンディーヌがそれを言う。
「今はどうでもいいって」
「どういうことなのよ」
「楽しむことに専念するべきなのです」
そうするべきだというのがヒラメキメデスの論理だった。しかしそれでも彼は言う。それでいいというのである。
「遊ぶ時は遊ぶことに専念しないと」
「ああ、それはそうね」
「一理あるわね」
フラビージョとウェンディーヌも何だかんだでそれで納得した。二人にしてもうどんを食べ赤福を楽しんでいる。周りと同じであるのだ。
「それじゃあ今はね」
「どうせハリケンジャーの連中も来ないし」
こう思っていたのだった。しかしその予想は見事に外れることになる。戦いは今は行われてはいない。だが最後の戦いへの胎動は続いていた。
第十四話 完
2010・4・23
[8]前話 [9]前 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ