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スーパー戦隊総決戦
第十四話 伊勢巡りその十一
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だ、俺達ときたらだ」
 月光とヤイバも言う。
「やり繰りが大変じゃった」
「しかし御前等は違ったのか」
「というか御前等どういう財政状況だったんだ?」
「俺達も人のことは言えないけれどな」 
 クエスター達が少し呆れた調子で彼等に顔を向けて問うた。
「零細企業同士だけれどな」
「御前等は特にやばそうだな」
「だから私がアイドルやってるのよ」
 今わかった衝撃の真実だった。
「お金がないからね」
「そんな組織だったのか」
「ある意味凄いな」
 クエスター達も驚くことだった。
「まあそれでもこうして楽しんでいるのだな」
「それならいいか」
「そうかもね。苦しいとは思ったことないし」
 実際にシズカはそうは思っていなかった。
「ただね。この戦いこれからどうなるのかしら」
「そんなことはどうでもいいのでは?」
 今言ったのはヒラメキメデスである。
「今考えてもどうにもなるものではありません」
「物凄く無茶なこと言ってない?」
「そうよね、あんたそれでも軍師なの?」
 フラビージョとウェンディーヌがそれを言う。
「今はどうでもいいって」
「どういうことなのよ」
「楽しむことに専念するべきなのです」
 そうするべきだというのがヒラメキメデスの論理だった。しかしそれでも彼は言う。それでいいというのである。
「遊ぶ時は遊ぶことに専念しないと」
「ああ、それはそうね」
「一理あるわね」
 フラビージョとウェンディーヌも何だかんだでそれで納得した。二人にしてもうどんを食べ赤福を楽しんでいる。周りと同じであるのだ。
「それじゃあ今はね」
「どうせハリケンジャーの連中も来ないし」
 こう思っていたのだった。しかしその予想は見事に外れることになる。戦いは今は行われてはいない。だが最後の戦いへの胎動は続いていた。


第十四話   完


                        2010・4・23

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