草原の赤き花
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神敬介はモンゴルに来ていた。彼は今大草原の中にいる。
「いつも川や海でばかり戦っていたからな」
彼はカイゾーグということもあり水中戦が多い。だがこうした場所にいるのも嫌いではない。
「こうした草原も悪くはないな」
彼は元々自然がすきである。そしてそれを守る為に戦っているのだ。
「敬介さん、そこにいたんですか」
そこに馬に乗った佐久間がやって来た。
「ええ、ちょっとこの草原を見たくなりまして」
「それだったらいいんですけれどね、気をつけて下さいよ。バダンの奴等は時と場所を選びませんから」
「はい」
彼は佐久間に従いその場所をあとにした。彼もまた馬に乗った。
それを遠くから見る影があった。
「ギヒヒヒヒヒヒヒヒヒ」」
それはドクターケイトであった。
「まさか仮面ライダー]がここにやって来るなんてねえ。少し意外だったわ」
彼女は無気味な笑い声を出して笑った。
「相手にとって不足はないね、いやむしろ中国での借りを返すいい機会だよ」
彼女は長江での作戦失敗の恨みをまだ忘れてはいなかった。
その周りに数人の戦闘員が姿を現わした。
「来たね」
彼女は彼等の姿を認めて言った。
「ここでの作戦はわかっているね」
「ギィ」
戦闘員達はそれに対して頷いた。
「なら問題はないよ。じゃあこの大草原を死の荒野に変えてやるよ」
彼女はそう言うとその場から消え去った。だがそれを見る影がもう一つあった。
「フン、どうせまだ毒を使うつもりだろう」
それは白いスーツに身を包んだ青年であった。
「芸のない女だ。所詮はその程度か」
彼はドクターケイトの消えた方を侮蔑の眼差しで見ながら言った。
「]ライダーはこの俺が倒す。他の誰でもない」
彼は強い口調で言った。
「貴様などではない。それだけはよくわきまえておくのだな」
そして彼もその場から消え去った。
神と佐久間はこのモンゴルでバダンの行方を捜していた。この地に怪しげな影を見たとの話があったからだ。
「といってもモンゴルは広いですねえ」
二人は馬に乗っていた。佐久間がふと神に対して言った。
「広いとは聞いていたけれどまさかこんなにだだっ広いとは」
「それがモンゴルですよ」
神は遠くに見える地平線を眺めながら言った。
「この広大な草原こそがモンゴルです。何処までも続く青い空とこの草原がね」
「そうなんですか」
佐久間はそれを聞いて神に顔を向けた。
「神さんってここに来たことはあるんですか?」
「ええ、一回だけ」
神は答えた。
「といってもシベリアに行く時に横切っただけですが。ここで戦ったことはありません」
「そうですか。けれど何かここでは戦いたくはないですね」
佐久間は草原を見下ろしながら言った。
「あまり
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