第十四話 伊勢巡りその十
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「こうしたうどんもいいな」
「何杯でも食べられるぞ」
「そうよね」
「赤福だって」
それも食べるのだった。
「このあし餡が何とも言えん」
「黒と白のコントラストが何とも言えない」
「色彩もいいな」
「食欲をそそる」
「何か私達って今回」
シズカは自分の前にもう丼を六つも置いている。今七つめであった。
「遊んで食べてばかりよね」
「そうだな」
横にいるヤイバも箸を右手にうどんをすすっている。真っ黒い汁からそれに染まったうどんを食べながらだ。そのうえでシズカに応えていた。
「特に最近あまり戦っていないな」
「あまりかしら」
「全然だな」
言葉を訂正するヤイバだった。
「昨日の伊勢神宮の参拝はよかったな」
「そうよね、水族館もよかったし」
「あとは鰯亭だったか」
この店の名前も出て来た。
「鰯も美味いな」
「そうよね、鰯って安いけれどね」
「美味い魚だ」
「伊勢海老も美味しかったし」
それも食べているのだった。
「伊勢も美味しいものだらけね」
「それに引き換えあの連中ときたら」
ケガレシアもいる。当然の様にうどんを楽しんでいる。自分が機械の身体であることはあまり意識していないことは間違いない。
「梅干と蜜柑でおじゃるか」
「いや、それも捨て難いなり」
「その通りぞよ」
ヨゴシュタインもキタネイダスもやはりうどんをすすっている。赤福もある。
「梅干はあっさりしているなり」
「蜜柑は甘酸っぱいぞよ」
「それを聞いたら食べたくなってきたでおじゃるよ」
ケガレシアは実に食べ物に意地汚いようである。
「これから和歌山に行くでおじゃる」
「いや、それは駄目なり」
「別にしなくていいぞよ」
それは二人が止めた。
「何故なら今取り寄せているなりよ」
「それには及ばないぞよ」
「むっ、そうでおじゃるか」
「その通りなり」
「だからわざわざ出向くことはないぞよ」
「そうでおじゃるな。ではわかったでおじゃる」
これで納得したケガレシアであった。そうしてである。
彼女はそれで納得して伊勢うどんをさらに食べるのであった。その味は。
「しかし何杯食べてもいいでおじゃるな」
「確かにな。いや、人間界というのは」
「つくづく美味いものが多いものよ」
ヴァッフォとミゲラも美味そうに食べている。
「実にいい」
「味も最高だ」
「さて、後は梅干ですなあ」
アクマロはヨゴシュタインとキタネイダスの話をしっかりと聞いていた。
「それに蜜柑」
「梅干は酒にも合うからな」
ドウコクはうどんを食べる時もしっかりと酒を飲んでいた。
「楽しみだぜ」
「ふむ、しかも蜜柑もある」
「それがいいのか」
「蜜柑は身体にいいのじゃぞ」
シタリは今からうきうきした様子
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