第十四話 伊勢巡りその三
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「君達にとって非常にいいことだ」
「ええ。俺達には決戦が控えていますから」
凌駕がこのことについて確かな顔で述べた。
「それを踏まえたらその通りですね」
「そうね。神戸じゃ敵が待っているから」
らんるがこう言うがしかしであった。
「けれどその敵は」
「まだ伊勢にいるのか」
「その様です」
アスカが幸人に対して述べた。
「まだ遊んでいる様です」
「あいつ等は何をやっているんだ」
幸人はアスカのその言葉を聞いて首を捻った。
「この期に及んで遊んでいるのか」
「俺達が修行するのを知っていてその間は遊んでいるんじゃないかな」
魁はこう予想をした。
「その間どうせ暇だからって」
「聖杯はこっちにあるからね」
「そうね。それがわかってるのなら」
芳香と麗は聖杯のことを話した。
「けれど先回りは考えないのね」
「そうみたい」
「どっちにしろ聖杯を王様に渡しても」
「そう簡単にはいかないだろうな」
翼と薪人はそれからのことも話していた。
「そこで連中は大暴れするだろうからな」
「聖杯を奪おうとしてな」
「それは間違いないね」
ヒカルも言ってきた。
「彼等も必死だからね。どちらにしろ決戦は避けられないよ」
「やれやれだな」
「全くだ」
康介と吼太は溜息めいて言ってみせたのだった。
「相変わらず往生際の悪い奴等だよ」
「かと思えば変に諦めがよかったりするしな」
「気まぐれだしね」
七海も言う。
「何かっていうと」
「だが連中が遊んでいる間にだ」
「修行を進められる」
一甲と一鍬がそれについて述べた。
「さて、今からだが」
「次の修行は何かだな」
「その通り、しかし修行はもうすぐ終わりだろうね」
シュリケンジャーはこう予想していた。その彼の姿は。
「あの、シュリケンジャーさん」
「ずっと気になってたんだけれさ」
海と草太郎がそのシュリケンジャーに対して言ってきた。
「あんた、ずっとスーツな訳？」
「今も」
「その通り！」
シュリケンジャーは二人に対して両手を腰にやり堂々と胸を張って言う。彼はその緑のスーツの上に道着を着ている。だが彼だか赤帯だ。他は黒帯である。
「ミーはいつもこの格好さ！」
「すっごい違和感だけれど」
「まさか今もスーツなんていうのはな」
走と岳も首を捻っている。
「今度こそ素顔が見られると思ったのに」
「駄目だったな」
「実際どんな素顔しているのかしら」
「さてな」
冴と月麿もいぶかしむ顔になってそのうえで顔を見合わせて話をしている。
「誰も見たことはないし」
「しかも一度死んだと思われたそうだしな」
「生きていただけでも不思議だけれど」
「その時も素顔がわからなかったと聞いているわ」
小梅と茉莉花も
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